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特集 「第8回鉄道技術展2023」 8日から千葉・幕張メッセで開催

2023.11.06
21年に開催された「鉄道技術展」。今回も鉄道に関する最新技術が紹介される

 最新技術を一堂に

 2年に一度の総合見本市

 総合見本市「第8回鉄道技術展2023 Mass─Trans Innovation Japan2023」が8日から10日まで、2年ぶりに千葉市の幕張メッセ4・5・6・7・8ホールで開催、今回も次世代の鉄道システムなど最新の技術・製品が紹介される。出展者数はコロナ禍に見舞われた前回(21年)の359社・団体を大きく上回り、4年前(19年)とほぼ同じの533社・団体までに回復した。

 鉄道技術展は、鉄道に関連するさまざまな技術を紹介する総合見本市として2010年から産経新聞社の主催で2年ごとに開催されている。

 技術展開催に当たっては、国土交通省、文部科学省、交通安全環境研究所、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、JRグループ各社(北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州、貨物)、東京地下鉄(東京メトロ)などが後援、鉄道総研、海外鉄道技術協力協会、日本鉄道技術協会、日本鉄道車両機械技術協会、日本鉄道車輌工業会、日本鉄道施設協会、日本鉄道電気技術協会、日本鉄道運転協会、鉄道建築協会、日本民営鉄道協会などの業界団体が協賛した。

 今回は「交通・鉄道システム、横断的技術」「土木・インフラ技術・施設」「電力・輸送・運行管理」「車両」「インテリア」「旅客サービス」「自動化」「次世代モビリティサービス」を設定。出展各社・団体による特徴あるブース設営もさることながら、映像などの最新技術、実物展示を通じて、これからの鉄道を支えていくさまざまな技術を紹介していく。

 バラエティー豊かな出展内容も特徴の一つだが、併催事業の講演、セミナーにも注目したい。

 初日8日は「Rail Leaders’ Summit in ASIA 持続可能な未来に向けた鉄道の価値向上―多角的な視点からのイノベーション」と題した基調講演に始まり、国土交通省大臣官房技術審議官・岸谷克己氏、JR東日本副社長・伊勢勝巳氏、政策研究大学院大学特別教授・家田仁氏らが登壇する予定で、鉄道事業の現状や今後のあるべき姿などを示唆してもらう。

 また、「LRTが地域の発展を導く」と題したパネルディスカッションでは、東京大学生産技術研究所ITSセンター教授・須田義大氏をモデレーターに、宇都宮ライトレール常務・中尾正俊氏、富山市活力都市創造部軌道整備事業安全統括管理官・高森長仁氏、日本交通計画協会交通計画研究所所長・山内勝弘氏が次世代モビリティサービスとして注目を集めるLRTに関する取り組み、考えなどを披露する。

 9日は、銚子電気鉄道社長・竹本勝紀氏が「絶対にあきらめない! 地域と共に存続を目指す銚子電鉄の挑戦」をテーマに講演する。10日は「日仏鉄道技術シンポジウム2023」などを予定。なお、登壇者や講演タイトルなどは変更される場合がある。

 期間中は「第5回橋梁・トンネル技術展」も開催され、48社・団体が出展する。老朽化問題に直面している鉄道橋梁やトンネルなどのインフラ設備について、次世代につながる構造物建設・維持管理に関する製品・技術を製品プレゼンテーションなどとともに紹介する。

 このほか、初の取り組みとして日本民営鉄道協会、第三セクター鉄道等協議会の企画協力による「地方鉄道応援プロジェクト」を開催する。厳しい経営状況に置かれている各社への支援の一環として、会場では沿線地域の観光のPR、グッズ販売を行う。

 業界の人手不足解消に向けた「リクルートコーナー」も展示会場入り口に設置し、出展企業の求人募集案内を掲出する。

 鉄道技術展、橋梁・トンネル技術展とも開催時間は10~17時。入場料は2000円(招待券持参者・インターネットからの事前登録者は無料)。

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