交通新聞社 電子版

墨滴 8月16日付

2024.08.16

 四国4県の夏祭りのうち、全国区の知名度があるのは高知の「よさこい祭り」と徳島の「阿波おどり」だろう。よさこいに20年来参加している東北地方在住の知人が今年も出ると聞き、まずは高知へ▼昼のアーケードで見たそれは、音楽に合わせて鳴子(なるこ)を持った踊り手が躍動。伝統的な和を基調としつつも、現代的な要素を大胆に取り入れた連(参加団体)も多く見られた▼翌日、夕方の徳島を訪れると、街の至る所でお囃子(はやし)と踊りが展開。こちらはどちらかというと和の要素が色濃く、たおやかさと激しさが一体となったような印象を受けた。共通するのは、どちらも街全体が祭り一色ということ。熱気のるつぼにいるかのようだ▼距離や猛暑をいとわず、踊り手として参加する魅力は何だろう。よさこいの知人は、新人もベテランも助言しあって連の踊りをつくり上げていく一体感や達成感、地元の人のおもてなし、「誰でも輝ける」など、さまざまな要素を挙げる▼これらの祭り直前の8日夕方、日向灘を震源とする大きな地震が起きた。「南海トラフ地震臨時情報」が発表され、JR四国では危機管理の観点から、4県全ての祭り参加を取りやめた。練習を重ね、準備を整えたメンバーの悔しさはいかばかりか。今後は何ごともなく推移し、来年は2年分の熱い思いを発散できることを願いたい。

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