元旦号 2024公民鉄 今年の話題 関西
阪急、近鉄相次ぎ新型車登場
車両関係では、阪急電鉄が夏から順次、京都線で新型特急車両「2300系」(1編成8両)、神戸・宝塚線で新型通勤車両「2000系」(同)の運転を開始する。
外観は、伝統のマルーンカラーの車体などを継承しながら、前面の窓ガラスに曲線を採り入れて「疾走感」を醸し出したデザイン。京都線では併せて、同社初の座席指定サービス「PRiVACE(プライベース)」を導入。設定する車両は、新型特急車両2300系と、同線で主に特急として運行している9300系(同)の一部のそれぞれ大阪方から4両目。専用のウェブサイトで座席を予約すると利用可能となる。
近畿日本鉄道では、秋に新型一般車両を営業投入する。昭和40年代に製造された車両の置き換え用で、同社の新型一般車両投入はシリーズ21車両以来24年ぶり。
車体デザインは、近鉄伝統の赤色をより鮮やかにした色や、「八角形」をモチーフにした前頭形状により、同社の新しいイメージを創出する。車内は、花柄の座席表布や木目調の壁を使用して、明るくやさしい印象をつくり出すほか、利用者の視点に立ち、ベビーカーや大型荷物に対応した座席付きのスペースを設ける。投入対象線区は、奈良線、京都線、橿原線、天理線で、その後は他線区にも展開する予定。
京阪枚方市駅周辺再開発一部開業へ
阪神電気鉄道が2015年3月から実施している大阪梅田駅改良工事は春ごろ完了する。また各社では、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の成功への貢献に向けた各種施策にも取り組んでいく。
街づくり関連のプロジェクトでは、京阪ホールディングスと京阪電気鉄道、京阪電鉄不動産の3社が参画する「枚方市駅周辺地区第一種市街地再開発事業」の第3工区が夏ごろから順次開業。26階建ての高層棟、10階建ての低層棟、29階建ての住宅棟で構成し、名称は「ステーションヒル枚方」となる。
機能面では、駅と一体の商業、オフィス、ホテル「カンデオホテルズ枚方(仮称)」、賃貸タワーレジデンスがそろい、郊外における豊かな暮らし・働き方を実現する拠点創出につなげる。商業エリアの核テナントには屋内アスレチック施設などが入居。オフィスフロアの一部には京阪電気鉄道の本社が移転予定。
阪急ホールディングス、阪急電鉄では、大阪新阪急ホテル・阪急ターミナルビルの建て替え、阪急三番街の全面改修などを通じて、大阪・梅田エリアのさらなる価値向上を目指す大規模プロジェクト「芝田1丁目計画」の検討などに引き続き取り組んでいく。
阪急電鉄が参画している、うめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」は、9月にJR大阪駅直結のうめきた公園(サウスパークの全面・ノースパークの一部)と、北街区賃貸棟が先行開業する。
南海電気鉄道では、大阪・なんばエリアの活性化の取り組みとして、難波駅直結の大型複合商業施設「なんばパークス」内に「なんばパークスミュージアム」を4月にオープン。オープニングイベントは「美少女戦士セーラームーン ミュージアム」を予定している。
北大阪急行南北線3月23日延伸開業
新線関係では、北大阪急行電鉄と大阪府箕面市が整備主体となって進めてきた南北線延伸線が3月23日に開業する。これにより、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)御堂筋線と相互直通する南北線(江坂―千里中央間)が、千里中央から北へ約2・5㌔延伸され、大阪都心部から箕面エリアへの直通運転が可能となる。「箕面船場阪大前」と「箕面萱野」の2駅が新設される。
このほか、JR大阪駅と南海新今宮駅、JR難波駅を結ぶ「なにわ筋線」(開業目標・31年)や、大阪モノレール延伸(29年)、大阪・関西万博へのアクセス路線である地下鉄中央線延伸(24年度)の建設工事が引き続き進められる。
なにわ筋線は、大阪都心部と関西国際空港のアクセス機能の強化などを通じて大阪、関西の発展に資することが期 待されているもので、整備主体は関西高速鉄道。開業後の列車運行はJR西日本と南海電気鉄道が担う。
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