国交省 25年度予算の概算要求を公表
国交省関係7兆330億円
国土交通省は27日、2025年度予算の概算要求を公表した。要求額は国費総額の一般会計で7兆330億円(前年度予算比18%増)で、このうち「重要政策推進枠」は1兆6100億円。これとは別に、防災・減災、国土強靭(きょうじん)化のための5か年加速化対策、資材価格高騰を踏まえた公共事業などの実施に必要な経費、北陸新幹線敦賀―新大阪間の新規着工に要する経費などは、項目のみで金額を示さない事項要求を行い、予算編成過程で検討する。このほか、東日本大震災復興特別会計617億円(33%増、復興庁一括計上)、財政投融資1兆5443億円(26%減)などを盛り込んだ。
一般会計要求額のうち、公共事業関係費は6兆2899億円(19%増)。内訳は一般公共事業費6兆2319億円、災害復旧等580億円。非公共事業は7431億円(12%増)。基本方針として①国民の安全・安心の確保②持続的な経済成長の実現③個性をいかした地域づくりと分散型国づくりの3本を柱に掲げる。
①の安全・安心では、東日本大震災や令和6年能登半島地震をはじめとする大規模自然災害からの復旧・復興や災害に屈しない強靭な国土づくり、インフラ老朽化対策などによる持続可能なインフラメンテナンスの実現などを重視。
②の経済成長は、脱炭素社会の実現に向けたGX(グリーントランスフォーメーション)推進や国土交通分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進、働き方改革などを通じた生産性の向上、持続可能な観光立国の実現などを軸とする。
③の地域づくりは、バリアフリー社会形成やデジタル田園都市国家構想の実現に資する分散型国づくり、持続可能な地域活性化、「交通空白」の解消などに向けた地域交通のリ・デザインの全面展開などが中心。
主な要求のうち、地域交通のリ・デザインの全面展開については、ローカル鉄道再構築方針策定の後押し、地域鉄道事業者の設備更新支援などで331億円(38%増)。交通DX・GXを通じた利便性向上と経営力強化を図るため、財政投融資を活用した支援を行う。整備新幹線の着実な整備は前年度同額の804億円、鉄道ネットワークの充実は210億円(22%増)。
人材確保関係は、バス・タクシーを含む運輸業や宿泊・観光業などにおける人材確保・育成に307億円の一部、物流の革新や持続的成長に向けた中長期計画を踏まえた取り組みの推進に168億円(56%増)など。
災害対策は、気候変動による水害や土砂災害の激甚化に対抗する「流域治水」の加速化・深化に8311億円(31%増)、災害時の物流・人流確保に4939億円(21%増)、南海トラフ巨大地震、首都直下地震などの大規模地震への対策推進に2771億円(34%増)など。
このほか、地域の防災・減災対策などに充当する防災・安全交付金は1兆405億円(20%増)、地方公共団体の取り組みや社会資本整備を総合的に支援する社会資本整備総合交付金は6089億円(20%増)を要求する。
北陸新幹線敦賀―新大阪間 着工経費を事項要求
【鉄道局関係】
鉄道局の概算要求額は国費1164億4400万円(前年度予算比9%増)、事業費3815億7700万円(22%増)。国費の内訳は、公共事業関係費1118億4800万円(8%増)、非公共事業35億9600万円(63%増)、災害復旧10億円(同額)。財政投融資は47億1000万円(78%減)。
主な要求のうち、整備新幹線の建設推進に充当する整備新幹線整備事業費補助は、国費803億7200万円(同額)、事業費2658億円(17%増)。さらに、北陸新幹線敦賀―新大阪間の新規着工に関する経費について、現時点で金額を示さない事項要求とした。
整備新幹線関連では、北陸新幹線事業推進調査、青函共用走行区間における新幹線列車の高速走行調査・開発など整備新幹線建設推進高度化等事業費補助金で国費19億2300万円(20%増)。鉄道整備等基礎調査委託費等の国費4億6700万円の一部で、基本計画路線などで地域の実情に応じた諸課題について方向性も含め検討するための調査を行う。
都市鉄道は、31年春に大阪都心部で開業予定のなにわ筋線整備、30年代半ばの開業を予定する東京地下鉄(東京メトロ)有楽町線・南北線延伸整備など、都市鉄道整備事業費補助(地下高速鉄道)に国費175億7400万円の一部を充当。羽田空港とのアクセス向上のための蒲蒲線(JR・東急電鉄蒲田―京浜急行電鉄京急蒲田間)整備に向け、都市鉄道利便増進事業費補助(速達性向上事業)で国費3000万円を要求する。
地域鉄道関係では、鉄道事業者と地域の共創に対する支援(危機的状況にあるローカル鉄道に係る地域モビリティの刷新)で、社会資本整備総合交付金(地域公共交通再構築事業)の一部などを充当。 レールやマクラギ更新などの安全性向上にも、鉄道施設総合安全対策事業費補助の一部などを充てる。鉄道建設・運輸施設整備支援機構特例業務勘定によるJR北海道、JR四国、JR貨物への支援も継続する。
このほか、バリアフリー化やホームドア整備、耐震補強、豪雨対策、老朽化対策、災害復旧支援などで予算要求。物流革新に向けた貨物鉄道ネットワーク強化のための施設整備や、モーダルシフトなども推進していく。DX、GX推進についても要求を行う。
検索キーワード:南海
203件見つかりました。
101〜120件を表示
-
-
2024.04.08 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
南海 「海外人財と日本企業の共創」をテーマにセミナーイベント
南海電気鉄道は24日、難波駅直結商業施設「なんばスカイオ」コンベンションホールなどで、「海外人財と日本企業の共創」をテーマにセミナーイベントを開催する。
-
2024.04.08 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
南海 特急「ラピート」、なんば駅 万博ラッピング施す
南海電気鉄道は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開幕1年前を記念して13日から、特急「ラピート」(1編成)、難波駅を大阪・関西万博デザインシステム
-
2024.04.03 その他業種分類 コラム・企画類
ティータイム ジョージ・オベルソン モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道(MOB)CEO
南海と持続可能な社会実現へ スイス西部の緑豊かなエリアで鉄道事業を営む。
-
2024.04.02 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
南海 特急「ラピート」100%再エネ運行
南海電気鉄道は1日、特急「ラピート」全6編成が実質的に再生可能エネルギー100%での走行を開始した。年間で約2000㌧の二酸化炭素排出量を削減する。
-
2024.04.01 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
泉北高速鉄道 「らくっと定期券登録」を開始
泉北高速鉄道はきょう1日から、定期券新規購入の事前ウェブ登録サービス「らくっと定期券登録」を開始する。購入時の混雑緩和と利便性向上が目的。
-
2024.03.28 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
南海 特別企画「ふれたい、高野山。2024」5月から開催
高野山の魅力にふれる 世界遺産登録20周年記念 体験メニューや限定御朱印 南海電気鉄道と高野山金剛峯寺は5月11日から、高野山と高野山麓エリアが「紀伊山地の霊
-
2024.03.28 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
南海など 南海沿線のスポットを提案 「南海観光レコメンドマップ」サービス提供
南海電気鉄道と関西イノベーションセンター、三菱総合研究所、名古屋市のスタートアップ企業New Ordinaryの4者は、AI(人工知能)が利用者の好みに応じて
-
2024.03.28 民鉄・公営・三セク 営業・事業・車両
関西の私鉄4社とコラボした「ランチパック」
山崎製パンと近畿日本鉄道、京阪電気鉄道、南海電気鉄道、阪急電鉄は、「電車にのって味めぐり」をテーマに各社沿線の名所や名物、車両にちなんだ新商品「ランチパック(
-
2024.03.27 民鉄・公営・三セク コラム・企画類
ティータイム 桐山朋子 南海商事社長
女性リーダー育成に貢献 南海電気鉄道入社後、主に流通畑を歩み、育児と両立しながら商業施設「なんばパークス」開業に傾注。
-
2024.03.27 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
「南海ロマンス」 春シーズンの新ビジュアル公開
南海電気鉄道は、季節ごとに展開する沿線プロモーション「南海ロマンス」で、春シーズンの新ビジュアルを公開している=イメージ=。
-
2024.03.27 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
南海 難波観光案内所 4月1日に移転
南海電気鉄道と大阪観光局は4月1日、難波観光案内所「Tourist Information NAMBA」を南海難波駅1階北出口付近に移転オープンする。
-
2024.03.26 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
南海 QRコード乗車券を活用した実証事業
南海電気鉄道と大阪府泉佐野市、ビーマップ(東京都千代田区)は、QRコード乗車券を活用した実証事業を行う。
-
2024.03.26 民鉄・公営・三セク 営業・事業・車両
銚子電気鉄道 22000形 29日から営業運転開始
銚子電気鉄道は、南海電気鉄道から譲渡された22000形(旧2200系)2両の営業運転開始日を29日と決めた。
-
2024.03.22 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
南海 海外IT人財紹介サービス「Japal(ジャパール)」と事業提携
南海電気鉄道と大手不動産会社のレオパレス21(東京都中野区)は、南海の海外IT人財紹介サービス「Japal(ジャパール)」で事業提携を開始した。
-
2024.03.21 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
南海 24年度賃金改定 平均6%程度引き上げ
南海電気鉄道は15日、2024年度の賃金改定で、社員1人当たりの年収を平均6%程度引き上げることなどについて労使で合意したと発表した。
-
2024.03.21 民鉄・公営・三セク 記録・調査・統計
南海 オンデマンドバス実証事業の結果公表
96%が外出機会など拡大 南海電気鉄道と南海バス、大阪府堺市、ケーブルテレビ運営のJCOMは、昨年10月―今年1月に泉北ニュータウンで実施したオンデマンドバス
-
2024.03.21 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
南海・和歌山県など4者 「空飛ぶクルマ」実用化へ連携協定
南海電気鉄道と和歌山県、総合重工業のIHI(東京都江東区)、総合建設コンサルタントの長大(東京都中央区)の4者は、「空飛ぶクルマ」を同県内で実用化させ、誘客促
-
2024.03.21 民鉄・公営・三セク 人事異動・組織変更
南海 業務組織の一部改正 4月1日付
南海電気鉄道は4月1日付で業務組織の一部改正を行い、ガバナンス改革推進のためのプロジェクト組織の設置や、総合モビリティ事業への進化を目指していくための部署統合