運輸総合研究所 鉄道まちづくりでオンラインセミナー アフターコロナの開発議論
運輸総合研究所と日本民営鉄道協会は10日、「これからの鉄道沿線における持続可能なまちづくりを考えるⅡ~アフターコロナにおける大都市郊外部での沿線戦略~」を開催した。東京都内の会場とオンラインで約940人が聴講した。
2022年にコロナ禍の中で開催した持続可能なまちづくりに関するセミナーの第2弾。今回はアフターコロナにおけるまちづくり戦略について、関西圏を中心とする鉄道事業者のまちづくり担当者らを招いた。
セミナーでは、東急総合研究所の太田雅文フェロー主席研究員・東京都市大学都市生活学部非常勤講師が「サステナブルな沿線まちづくりに向けた鉄道・TOD事業者の役割とは?」と題して講演。コロナ禍で急成長した郊外のまちを示し、「目指すのは各エリアで働・商・住が完結するサステナブルなまちづくり。市町村主導では自治体の境界がネックになる。地域と鉄道事業者で連携して進めるまちづくりを行政が支援するような形もあるのでは」と語った。
この後、JR西日本と相模鉄道、阪神電気鉄道、名古屋鉄道、南海電気鉄道のまちづくり担当者が各取り組みを紹介。
ディスカッションでは、太田氏と上村正美阪急電鉄専務・都市交通事業担当がモデレーターとなり、鉄道会社がサステナブルなまちづくりに取り組む意義やマネジメント方法などについて議論。「まちの活性化が長期的な沿線のブランド価値向上につながる」「かつては鉄道部門は旅客のみを見ていたが、今は不動産部門と同じく沿線を見るようになった」「まちづくりではKPIなど効果を示す指標設定が難しい」「長期的に来街者を確保することが重要」などの意見が出された。
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