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和歌山電鐵×銚子電鉄 「あきらめたらおしまい(姉妹)鉄道提携」締結へ

2023.10.13

 少子化やコロナ禍などによる利用客減少で厳しい経営状況に置かれている地方鉄道各線だが、同じような境遇にある和歌山県の和歌山電鐵と千葉県の銚子電気鉄道が「存続の道を目指そう!」と、姉妹鉄道提携を結ぶことになった。キャッチコピーは「あきらめたらおしまい(姉妹)鉄道提携」とか......。

 ユニークなのか、自虐的なのか――姉妹鉄道提携を結ぶのは、両社とも南海電気鉄道から譲り受けた2200系列車両を運用していること、和歌山では「ネコ駅長」のキャラクター戦略、銚子では「まずい棒」などの商品戦略を展開するといった、いずれも苦境にあえぐ中で、知恵と工夫による鉄道経営に取り組んでいることなどが〝縁〟となったようだ。

 銚子電気鉄道によると、「千葉県と和歌山県のご縁」として、

・千葉県民のルーツは、和歌山県人・三重県人・徳島県人。

・千葉の醤油づくりは紀州・和歌山から伝播。

 また、千葉県の有名な産業に「醤油産業」があり、この醤油づくりは、江戸時代に紀州・和歌山の人から伝わったもので、醤油作りは紀州・和歌山で生まれたものです。

 と説明する。

 ■調印式は11月5日に

 「あきらめたらおしまい(姉妹)鉄道提携」の調印式は、11月5日11時10分から、和歌山電鐵側の「伊太祁曽(いだきそ)神社」境内で、和歌山電鐵の小嶋光信社長、ニタマ駅長、よんたま駅長、銚子電気鉄道の竹本勝紀社長ら関係者が出席して行われ、締結後には両社長のトークイベントもある。

 同日は、伊太祈曽駅で鉄道イベント「第17回貴志川線祭り+『貴線祭』」を開催し、応援の一環として銚子電鉄「ぬれ煎餅」などの各種商品を販売する。銚子電鉄製作映画「電車を止めるな!」上映イベントも予定されている。

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