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山万ユーカリが丘線 顔認証・QR乗車券で乗降可能 15日から

2024.06.10
㊤顔認証㊦QR乗車券による改札口通過イメージ

 シームレスに乗り降り

 山万は、同社が運営する新交通システム・山万ユーカリが丘線(千葉県佐倉市)で15日から、顔認証、またはQR乗車券での鉄道の乗降を可能にする。磁気式の通勤定期券(割引定期券除く)、普通乗車券は14日をもって発売を終了する。

 

 磁気式は14日に発売終了

 顔認証乗車システム(ユーカリPASS)では、使用する乗車券と本人情報を事前にひもづけて、専用サーバーなどでチケット確認と入出場などの乗降管理を行うもので、ICカード・磁気乗車券とは異なるチケットレス、シームレス(継ぎ目のない)な乗降シーンが実現する。乗車方法は改札機付近の読み取り部分(タブレット画面)に登録した顔をかざし、認証表示が出たら改札機を通過できる。

 一方、QR乗車券では専用のQR認証機に乗車券、あるいはスマートフォンのQRコード画面をかざす。購入したQR乗車券は磁気式同様、降車時に回収する。当面は通勤定期券(割引定期券を除く)、普通乗車券のみ。顔認証で普通乗車券を利用の場合、クレジットカードの登録が必要。通学定期券、回数券、一日券、二日券、シニアパスについては、今後、顔認証、QR乗車券に対応するという。

 山万では、自動改札機などのメンテナンスコスト削減も含めて、2021年9月から同5月に先行導入したエリア内コミュニティーバスとともに山 万ユーカリが丘線での顔認証乗車に関する実証実験に着手。パナソニック、コネクティッドソリューションズ(現・パナソニック コネクト)、ジョルダンの3社とともに実用化に向けた課題検証を行っていた。

 顔認証による鉄道乗車サービスの実用化に向けては、現在、大手鉄道事業者で実証実験が進行中。利用者の大半が地域住民に限定されている山万ユーカリが丘線だが、システム稼働後の実績に注目が集まる。

 一方、QR乗車券については、これまでに南海電気鉄道がインバウンド向けのQRコード付きデジタル乗車券として、北九州高速鉄道(北九州モノレール)が全線一日乗車券として導入している。

 

 ■山万ユーカリが丘線

 京成電鉄ユーカリが丘駅前に広がる千葉県佐倉市に立地する総開発面積約250㌶(計画総人口約3万人)のニュータウン「ユーカリが丘」の住民輸送を担う。街づくりと一体となった鉄道路線で、1982年にユーカリが丘―女子大―中学校間で運転開始。83年に中学校―公園間が開業した。運行キロは約5.1㌔。

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