JR四国 24年3月期決算 経常益大幅増で連続黒字
JR四国は8日、2024年3月期連結決算を発表した。コロナ禍からの回復や昨年5月の運賃改定などが寄与して3期連続の増収に。経営安定基金の運用益は減少したものの、経常利益は大幅な増益で2期連続の黒字、当期純損益は4期ぶりの黒字に転換した。次期は、減価償却費の増加や予讃線松山駅付近高架化、非鉄道事業の先行投資に伴う経費の増加、単体で今期計上した子会社関係引当金の戻し入れがなくなることなどにより、経常、当期純利益は減益を見込む。
前期の連結は営業損失171億400万円、経常利益3800万円、当期純損失5000万円。単体は営業損失184億3500万円、経常損失15億9400万円、当期純損失6億3800万円だった。
運輸業は鉄道とバスの運輸収入が増加し、売上高283億5100万円(前期比22・0%増)、セグメント損失138億600万円(50億200万円改善)。単体の鉄道運輸収入は223億3400万円(25・8%増)で、3期連続の増収ながら同社発足以来4番目に低い水準となった。内訳は定期16・7%増、定期外28・3%増。鉄道輸送人員は定期2・3%増、定期外12・2%増、合計5・6%増。輸送人キロは定期2・2%増、定期外18・2%増、合計10・7%増。
飲食・物販業は店舗販売収入が増加し、売上高57億9600万円(14・3%増)、セグメント利益1億700万円(前期は1700万円の赤字)。
建設業は、3月開業の高松駅ビル「TAKAMATSU ORNE」(タカマツ オルネ)や多度津工場、松山駅付近高架化などの工事が増加した一方、資材価格高騰による原価増などで売上高139億1200万円(20・9%増)、セグメント利益11億1000万円(0・8%減)。
ホテル業は、新型コロナウイルス感染症の5類移行や22年11月開業のJRクレメントイン姫路などが寄与し、売上高78億3200万円(21・2%増)、セグメント利益8億4900万円(186・2%増)。
駅ビル・不動産業は分譲マンション販売収入が増加したものの、タカマツ オルネ開業準備費用の増加で売上高60億400万円(26・1%増)、セグメント損失6000万円(2億4000万円の黒字)。
ビジネスサービス業は、昨年4月の東京セフティ連結子会社化や多度津工場の機械設備の受注増で、売上高96億3400万円(16・2%増)、セグメント利益6億7900万円(19・3%増)。
営業費は売上原価、人件費などの増加で649億4100万円(7・0%増)。営業外利益は157億4100万円(8・2%減)で、このうち経営安定基金運用益は116億1200万円(4・5%減)。鉄道建設・運輸施設整備支援機構の利益剰余金を活用した国の支援措置に基づく特別債券受取利息は35億円(同額)。
次期の業績予想は、連結は売上高532億円(0・2%減)、営業損失158億円(41億円悪化)、経常利益0億円(41億円減)、当期純利益0億円(35億円減)。単体は売上高294億円(0・5%増)、営業損失170億円(29億円悪化)、経常損失8億円(36億4700万円の黒字)、当期純損失8億円(38億2500万円の黒字)。
【JR四国(連結)】8日
売上高53,300( 22.3)
営業利益△11,641( ―)
経常利益4,100( ―)
当期純利益3,544( ―)
【JR四国(単体)】8日
売上高29,253( 21.9)
営業利益△14,045( ―)
経常利益3,647( ―)
当期純利益3,825( ―)
単位百万円、カッコ内増減%
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