JR貨物 経常・純損益で黒字確保 24年3月期第1四半期決算
JR貨物は9日、2024年3月期第1四半期連結決算を発表した。運輸収入は一部の品目を除き原材料費高騰に伴う需要低迷などの影響で前年を下回ったものの、「東京レールゲートEAST」などの建物貸付が好調で、全体では増収に。減価償却費や原材料高騰による経費の増加で営業赤字を計上したが、移転協力金の受け取りなどで経常損益は黒字に転換し、四半期純損益は2期連続で黒字を確保した。通期の業績予想は5月12日発表の数値を一部修正している。
同社は前期から、四半期決算を開示している。
鉄道ロジスティクス事業は売上高404億9100万円(前年同期比0・5%増)、セグメント損失32億5800万円(6億5600万円悪化)。単体の鉄道事業は売上高324億5800万円(1・3%増)、営業損失37億3800万円(5億6400万円悪化)。
輸送量は、コンテナ441万5000㌧(1・8%減)、車扱い184万3000㌧(10・6%増)、合計625万9000㌧(1・5%増)。
コンテナは、半導体不足の解消が進んだ自動車部品と、前年が作柄不良の影響で低調だった農産品・青果物が増加。一方、需要低迷が続く化学薬品、化学工業品などのその他の品目はいずれも前期を下回った。車扱いは、行動制限の緩和によるガソリンや軽油需要の高まりで石油が増加したほか、顧客の生産計画の変更でセメント・石灰石も前年を上回り、全体でもやや増加した。
不動産事業は売上高50億4100万円(0・6%減)、セグメント利益26億1700万円(1・1%増)。マンション販売や既存の建物貸付などが堅調に推移し、ほぼ前期並みだった。
リース業などのその他事業は売上高11億5700万円(14・8%増)、セグメント利益1億100万円(53・0%増)。
通期の業績予想は、「2024年問題」に起因する輸送需要の取り込みや東京レールゲートEASTの稼働の通期化、電力料金の増加などを踏まえて、売上高と当期純利益を修正した。
修正後の業績予想は、売上高1975億円(修正前比0・2%増、前期比5・2%増)、営業利益32億円(修正なし、前期は36億4400万円の赤字)、経常利益36億円(同、43億6400万円の赤字)、当期純利益12億円(7・7%減、40億9800万円の赤字)。
【JR貨物(連結)】9日
売 上 高45,317( 0.6)
営業利益△458( ―)
経常利益650( ―)
四半期純利益446(117.8)
単位百万円、カッコ内増減%
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