JR貨物 23年3月期決算 費用かさみ各損益赤字
JR貨物は12日、2023年3月期連結決算を発表した。コロナ禍の影響や物価上昇に伴う消費低迷、北海道、東北、北陸地区を中心とした8月の大雨に伴う一部不通区間の発生などがあったものの、マンション販売や「東京レールゲートEAST」などの建物貸付が好調に推移したことから全体で増収に。一方、マンション販売の売上原価や、東京レールゲートEASTの完成による不動産取得税、減価償却費の増加、車両修繕など修繕費用がかさんだことなどから各損益は大幅な赤字となった。営業赤字と経常赤字は10年3月期以来13期ぶり、最終赤字は2期連続。
次期は、トラックドライバーの労働時間の上限規制に伴う「2024年問題」に関連して発生する輸送需要の取り込みで輸送量が拡大。東京レールゲートEASTの稼働の通期化などで増収、各損益は黒字転換を見込む。
鉄道ロジスティクス事業は売上高1674億100万円(前期比0・4%減)、セグメント損失148億8400万円(55億9000万円悪化)。単体の鉄道事業は売上高1342億5500万円(0・3%減)、営業損失162億300万円(54億8000万円悪化)。
輸送量はコンテナ1833万1000㌧(0・8%減)、車扱い827万8000㌧(1・5%増)、合計2660万9000㌧(0・1%減)。コンテナは、積み合わせ貨物、他工業品、自動車部品、家電・情報機器、食料工業品が前年を上回った一方、紙・パルプ、化学薬品、化学工業品は需要の低迷で減送に。エコ関連物資も21年7月の建設発生土の輸送終了により減少し、全体で前年を下回った。車扱いは、ガソリン需要の高まりで石油が前年を上回り、全体でも増加となった。
不動産事業は売上高220億2400万円(7・3%増)、セグメント利益107億4900万円(4・4%増)。マンション販売などが堅調に推移して増収増益だった。
リース業などのその他事業は売上高41億3000万円(4・8%増)、セグメント利益2億6100万円(21・0%減)。
次期の業績予想は、連結が売上高1971億円(5・0%増)、営業利益32億円、経常利益36億円、当期純利益13億円。単体が売上高1615億円(6・1%増)、営業利益15億円、経常利益20億円、当期純利益3億円。
【JR貨物(連結)】12日
売上高187,685( 0.6)
営業利益△3,644( ―)
経常利益△4,364( ―)
当期純利益△4,098( ―)
【JR貨物(単体)】12日
売上高152,228( 0.6)
営業利益△5,456( ―)
経常利益△6,323( ―)
当期純利益△5,288( ―)
単位百万円、カッコ内増減%
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