JR四国 23年度第3四半期報告書を開示
純利益4期ぶり黒字
JR四国は16日、同社グループ「中期経営計画2025の達成に向けた取り組み」で、本年度第3四半期の報告書を開示した。国土交通大臣の20年の行政指導に基づき、第1~3四半期累計の決算と、中計に掲げた施策のうち、本年度に取り組む主要9項目について設定した通期目標(KGI)に対する中間的な指標(KPI)の実績をまとめた。移動需要の回復などで、連結決算は全セグメントで売上高が増加し、四半期純利益は連結・単体とも4期ぶりの黒字に。KPIは7項目で達成した。
連結決算は、売上高385億円(前年同期比130・7%、19年度同期比103・2%)、営業損失71億円(55億円改善)、経常利益48億円(前期は5800万円の赤字)、四半期純利益43億円(1億円の赤字)。
売上高は、運輸、飲食・物販、建設、ホテル、駅ビル・不動産、ビジネスサービスの全セグメントで増収。移動需要の回復、建設工事の増加、分譲マンション販売の増加などが寄与した。
経常利益は、国からの「経営安定基金の下支え」支援による鉄道建設・運輸施設整備支援機構への貸付進捗(しんちょく)で受取利息が増加した一方、有価証券売却益が減少して営業外利益が減少したものの、売上高の伸びがけん引して黒字に転換した。
単体は、売上高220億円(前期比129・4%、19年度比98・7%)、営業損失88億円(43億円改善)、経常利益37億円(6億円の赤字)、四半期純利益36億円(6億円の赤字)。
KPIは、「チケットアプリの定着・拡大」「『四国家のお宝』のさらなる充実による観光振興」の2項目以外で達成した。
収入に関する数値目標を設定した主な項目の達成状況は、▽鉄道運輸収入の確保(KPI=定期11億5000万円、定期外43億7000万円、実績=定期12億3000万円、定期外46億4000万円)▽連結売上高の確保(KPI=367億円〈鉄道運輸収入160億円〉、実績=385億円〈167億円〉)――など。
チケットアプリの定着・拡大は、定期4900万円(達成率44・4%)、定期外6300万円(73・0%)だった。
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