日本民営鉄道協会 新会長に原田氏(京急会長)
日本民営鉄道協会は26日、東京都千代田区の経団連会館で定時総会と理事会を開催した。役員改選では、野本弘文会長(東急・東急電鉄会長)が退任し、新会長に原田一之京浜急行電鉄会長が就任した。原田会長は同日に同会館で会見し、「2年間、会員各社と共に民営鉄道業界を取り巻く諸課題に積極的に取り組み、鉄道の持つ公的な使命にしっかりと応えていけるよう協会運営に当たる」と抱負を述べた。
原田会長はコロナ禍の影響について、「鉄道需要は大きく落ち込み、生活習慣の変容でコロナ禍前に戻らないことも想定せざるを得ない。現状、首都圏の利用者は定期でコロナ禍前の2割ほど減、定期外を含めた全体で1~1・5割ほど減で推移している。5類移行により各地でにぎわいが見られるようになってきたので、国内の移動需要、インバウンド増加など一層のにぎわいを期待している」と移動や観光需要増への期待を表明した。
また、「各社効率化の成果などが反映され、決算上は回復しつつあるが、電力費をはじめとする物価高や人材確保の深刻化など厳しい状況が続いている。課題であるバリアフリーやDX(デジタルトランスフォーメーション)推進、大規模災害対策、2050年カーボンニュートラルに向けた対応なども求められている」と業界の置かれた状況を説明。「課題に向き合いつつ、民鉄業界の再生回復、さらなる発展を目指したい。具体的には人と環境にやさしい民鉄の理解増進、鉄道需要回復の取り組みを進めていく」と語った。
地方鉄道については、「利用が減少し、本数も減るという負の循環になっている。地活化法(地域公共交通の活性化及び再生に関する法律)改正で盛り込まれた協議、国、自治体、事業者皆でどんな交通体系をつくり、支えるかという協議をやらなければ維持できない。徒歩移動とMaaS(マース)などを組み合わせ、地域を支える仕組みをつくることが大事になる」と述べた。
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