宇都宮ライトレール 「ライトライン」開業7カ月間で271万人利用
新たな移動手段として定着
当初予想23%上回る
企画券などで利用促進
宇都宮ライトレールは、2023年度のライトライン(宇都宮芳賀ライトレール線)の利用者数が開業7カ月間の実績ながら271万7000人に達し、開業前の軌道運送高度化実施計画の初年度想定利用者数(220万4000人)に対して23.3%上回ったことを明らかにした。マイカーに代わる新たなエリア移動手段として積極的にPRしたこと、企画乗車券などを設定して利用促進に努めたことが、次世代型路面電車(LRT)利用の定着につながっていると思われる。
先に発表された開業6カ月間(23年8月26日~24年2月25日)の累計利用者数は約227万人、開業前予測値1・2倍で、3月31日までの1カ月あまりで44万人以上が上積みされた。
同社では開業以来、沿線各地で開催されるサッカー・Jリーグなどの試合やイベントに合わせて列車を増発。また、「ライトライン 一日乗車券」や宇都宮餃子会と連携した「餃子券付き一日乗車券」を販売するなど、利用促進に向けた営業施策に取り組んだことが数字を押し上げた。
今年1月からは沿線住民らの要望を受ける形でライトライン車両基地(宇都宮市下平出町)の一般公開イベントを月1回のペースで開催している。
開業82日目の11月15日に100万人、今年2月3日には当初予定より31日早く、162日目での200万人に到達した。
1日当たり利用者数は平日約1万2000~1万3000人、土曜日・休日約9000~1万人。4月以降も同様に推移しており、開業フィーバーは続いている。単純計算による月平均利用者数は38万8000人。開業1カ月目は約42万人が利用した。
同社では「通勤・通学をはじめ、日中の外出時の利用や観光での利用など、日常の公共交通機関として定着しつつあり、利用者数は当初の需要予測を上回る水準で極めて順調に推移している」とした。
当期純利益計画の3倍
同社では23年度決算も公表した。
23年8月26日の開業から24年3月31日までの鉄道事業売上高は7億3916万円、ラッピング電車に代表される広告事業、オリジナルグッズの販売などのその他事業売上高は5534万円。経常利益は8361万円、当期純利益は5697万円だった。
当初計画では運賃収入を約5億円とみていたが、好調な利用に支えられ約2億3300万円上回った。当期純利益も当初計画の1900万円から約3倍となった。
より安全安心へ事故防止強化
一般道路と並走するライトラインと自動車との衝突事故は約7カ月間で5件、停留場への追突事故は1件発生した。いずれも自動車運転手側の交通ルール違反による。
同社では、開業から1カ月間で3件発生したことを重視し、地元警察署と連携して交通ルールの順守などを呼び掛けたが、最終的にはおおむね月1回の割合で事故が発生した。同社では24年度も安全・安心の観点から事故防止対策に力を入れていく。
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