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JR貨物 「鉄道物流の災害による輸送障害に対するBCP策定に向けた官民一体の検討会」概要を取りまとめ

2024.04.30

 JR貨物は、同社と国土交通省中国運輸局を共同事務局として今年1~3月に計3回開催した「鉄道物流の災害による輸送障害に対するBCP策定に向けた官民一体の検討会」の概要を取りまとめた。トラックや内航海運による代行輸送体制のより速やかな確立に向け、山陽線新南陽駅周辺のトラックの通行に関する課題や、徳山下松港(晴海ふ頭)の使用許可の速やかな承認などについて、関係者間で連携を強化して対応を進めていくことを確認。BCP(事業継続計画)の強化を目指す。

 災害時輸送障害に関するBCP対策会議の新設は、同社が2025年度までに達成すべき目標として22年10月に策定したKPI(重要業績評価指標)のうち、災害時をはじめとした輸送障害への対策強化の課題に対する取り組みの一つ。

 同検討会は、BCP策定に向けた官民一体の検討の場として設置したもので、共同事務局の両者のほか、同省、同省中国地方整備局、山口県、同県周南市、JR西日本、利用運送事業者、荷主の各関係者で構成する。

 1月から毎月1回開催した検討会では、JR貨物の災害による輸送障害への対応力強化に向けた取り組みと、JR西日本の降雨災害に対する取り組みについて事例を紹介。併せて、輸送障害発生時のトラックや内航海運による代行輸送の課題について議論した。

 

 ■山陽線被災時には新南陽駅を拠点に

 トラック代行

 JR貨物の取り組みでは、大雨などによる山陽線被災時の対策として、新南陽駅をトラック代行拠点駅として整備。駅事務所を移転したコンテナホームの拡幅や、代行輸送用トラックの駐車場の整備などを順次進めていく。また、センコーグループホールディングスと共同で総トン数499㌧型の内航貨物船1隻を新造・保有し、災害発生時にJR貨物の代行輸送に投入する計画。7月に完成の予定となっている。

 JR西日本は、自治体と連携した駅や線路内への土砂流入を防ぐ設備の設置や、切土や盛土などの斜面防災工事の推進といった自然災害対策を挙げた。

 

 ■トラック通行経路指定に向けて調整

 新南陽駅周辺

 速やかな代行輸送体制の確立に向けた課題では、新南陽駅周辺のコンテナ積載トラックの通行経路で、高さ指定・重さ指定道路の指定に向けた調整を行うことを確認。12㌳コンテナ3個などを積載できる「3個積みセミトレーラ―連結車」の通行に必要な特殊車両通行許可の交付についても、国が迅速な対応を行うことを確認した。

 

 ■徳山下松港バース速やかな承認要望

 船舶代行

 このほか、船舶による迅速な代行輸送実施のため、徳山下松港(晴海ふ頭)のバース使用と港湾荷役の承認について、港湾荷役事業者を通じて港湾管理者へ使用許可申請を提出することで速やかな承認を要望。港湾管理者が迅速な対応を行うことで一致した。

 今後、同様の検討会は、岡山、北九州地区でも開催する予定。

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