日本鉄道サイバネティクス協議会 24年度定時総会
日本鉄道サイバネティクス協議会(細川明良会長、鉄道事業者など284団体)は24日、2024年度定時総会を東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで開いた。総会はライブ配信を併用し、会場出席44団体、委任状117団体を合わせて161団体が参加した。
細川会長は「今年のゴールデンウイークのJR各社輸送需要はコロナ禍前の94%(18年比)であり、元に戻っていない。人が移動せず、在宅勤務、オンライン会議が当たり前になってきた。交通事業者は低コストによるオペレーション、新たな収入源を探す努力を続けている。一方でICT(情報通信技術)技術、AI(人工知能)技術が急激に進展し、新しい技術を抵抗なく採り入れる社会になってきた。協議会は最先端のサイバネ技術をシンポジウム、会誌を通して共有化、共用化する活動、技術を標準化、共通化(サイバネ規格)する活動、この二つの活動が柱。会員各社の事業にさらに役に立てる協議会にしたいので、ご協力をお願いしたい」とあいさつした。
総会では23年度事業報告書の報告および収支計算書、24年度事業計画・収支予算の報告、規約の改定が審議され、いずれも承認された。
総会後には、JR貨物取締役兼常務執行役員・経営統括本部長の篠部武嗣氏による特別講演「『2024年問題』さらにその先に向けた貨物鉄道の挑戦」があった。ウェブ参加を含め225人が聴講した。
◇
同日は今年で12回目となるサイバネティクス協議会技術賞と功労賞などの表彰式も行われた。受賞者は次の通り(敬称略)。
【技術賞】
最優秀賞=「踏切異常検知装置の開発」(西武鉄道・伊東訓ほか)
優秀賞=「数理最適化技術を活用した東海道新幹線車両運用自動作成システムの開発」(JR東海・小泉匡秀ほか)▽「変電所負荷監視データを用いた変電設備長寿命化の検討」(JR東海・松田裕也ほか)▽「クラウド型ID認証システム(ID―PORT)による各種クラウド認証サービスの実用化」(JR東日本メカトロニクス・山岸俊之ほか)
特別賞=「アシストマルスAI自動応対機能によるお客様サービスの向上とオペレータの業務効率化」(JRシステム・川本剛志ほか)▽「バス事業者向け簡易IC車載機の開発」(JR西日本テクシア・塩濱和豊ほか)
【功労賞】
特別功労賞(顕著功績者)=「QR乗車券規格の制定に貢献」(JR東日本メカトロニクス・溝口直樹、JR西日本テクシア・山口拓哉、東急電鉄・岩永政仁、西武鉄道・坂部悠、JR東日本・濵貴之、スルッとKANSAI・松本康宏、近畿日本鉄道・中村活裕)
特別功労賞(永年貢献者)=鉄道総研・川﨑邦弘
功労賞(永年貢献者)=JR貨物・兒玉道昭、東京地下鉄・中島浩貴、阪急電鉄(現・能勢電鉄)西中哲郎、JR東日本メカトロニクス・木暮充
◇
「鉄道におけるサイバネティクスの利用に関する国内シンポジウム論文集」および協議会誌「サイバネティクス」の掲載論文を選考対象とした「サイバネティクス協議会論文賞」の受賞論文は次の通り(敬称略)。
【シンポジウム論文部門】
優秀賞=「訪日外国人の鉄道利用把握に向けた基礎分析―携帯電話位置情報データを用いた訪問地分析―」(鉄道総研・中川伸吾)▽「車上データ有効活用システム『Remote』による省エネ施策の開発―架線電圧調整による回生電力量の拡大―」(東武鉄道・今村憲司ほか)▽「AIを活用した運転整理業務の自動化技術」(日立製作所・加藤祐子ほか)▽「踏切監視カメラによる遮断かん折損検知手法」(鉄道総研・影山椋ほか)
優良賞=「マルチフルスクリーンホームドアの開発―世界初方式ホームドアの実用化に向けた挑戦と取組―」(JR西日本・四家井祐一ほか)▽「自動学習による空転発生条件の分析の強化」(東芝インフラシステムズ・行木英明ほか)▽「車両側面カメラによる安全確認支援装置」(鉄道総研・合田航ほか)▽「2Dレーザー式踏切障害物検知装置の開発―障害物検知アルゴリズムの検討―」(JR東海・早田有利ほか)
【会誌技術情報部門】
優秀賞=「スマートフォンを活用した線路保守システムの開発」(JR西日本・池内三津喜ほか)▽「JR東日本におけるドライバレス運転に向けた取組み」(JR東日本・青栁繁晴ほか)
優良賞=「南海電鉄が目指すGOA2・5自動運転について」(南海電気鉄道・西山偉ほか)▽「マルチフルスクリーンホームドアの実用化に向けた開発―世界初方式ホームドアの導入に向けた挑戦と取組―」(JR西日本・河合陽平ほか)
検索キーワード:JR西日本
1,519件見つかりました。
741〜760件を表示
-
2024.04.23 その他業種分類 その他記事分類
第35回JRスポーツ賞決まる
交通新聞社は、JRグループ各社の職場におけるスポーツの一層の振興に寄与するため、「JRスポーツ賞」を制定しています。
-
2024.04.22 JR共通(グループ) 予定・計画・施策
JRグループ旅客6社 26年10~12月「山口DC」開催
9年ぶり 観光素材発掘など一体で JR西日本と山口県は18日、JRグループ旅客6社と地元が協働して実施する大型観光キャンペーン「デスティネーションキャンペーン
-
2024.04.19 JR東海 予定・計画・施策
JR東海 東海道新幹線N700Sに個室 26年度サービス開始 1編成に2室
JR東海の丹羽俊介社長は17日の定例会見(東京)で、東海道新幹線N700S車両の一部に個室を導入すると発表した。
-
2024.04.19 JR共通(グループ) 予定・計画・施策
JR東海・JR西日本 東海道・山陽新幹線「S Work車両」 券売機などで購入可能に
JR東海とJR西日本は5月22日乗車分から、東海道・山陽新幹線のビジネスパーソン向け車両「S Work車両」(16両編成の7号車指定席)について、新たにJR西
-
2024.04.18 JR西日本 記録・調査・統計
JR西日本 北陸新幹線延伸開業1カ月 金沢―福井間前年比26%増
19年同曜日比でも12%増 JR西日本は16日、北陸新幹線金沢―敦賀間開業後1カ月間の利用状況として、同新幹線金沢―福井間の実績を発表した。
-
2024.04.18 JR西日本 営業・事業・車両
JR西日本 「SLやまぐち」号 5月3日から運転再開
2年ぶりにSL列車が復活!――。JR西日本は5月3日から、「SLやまぐち」号(山口線新山口―津和野間)の運転を再開する。
-
2024.04.18 JR西日本グループ 予定・計画・施策
JR西日本光ネットワーク「大阪なにわリング」 OBPコネクトサービスと接続へ
JR西日本光ネットワークとビー・ビー・バックボーンが展開する光ファイバーサービス「大阪なにわリング」が6月1日から、JPIXが提供するTelehouse OS
-
2024.04.18 JR西日本 営業・事業・車両
JR西日本 「SLやまぐち」号 駅・車内サービスを拡充
JR西日本は5月3日から運転を再開する「SLやまぐち」号の旅客サービスとして、新山口駅・津和野駅に記念撮影ボードを、車内ではWi-Fiを新設する。
-
2024.04.18 JR西日本 営業・事業・車両
JR西日本 吹田総合車両所で車両撮影ツアー
JR西日本と日本旅行は5月19日、吹田総合車両所で車両撮影ツアーを開催する。103系(青22号)の運転台撮影をメインにした。
-
2024.04.18 JR西日本 営業・事業・車両
JR西日本 山陽新幹線+商業施設 「EX旅パック片道こだま商品」発売
JR西日本と日本旅行は22日10時から、EX旅パック片道こだま商品「EXパック 行こっか!こだま」を発売する。
-
2024.04.17 その他業種分類 記録・調査・統計
ウイークリー・メモ 24年4月8~14日
◇4月8日(月)=JR東海がリニア中央新幹線第一中京圏トンネルのシールド掘進工事について坂下西、名城の両工区で調査掘進を開始。
-
2024.04.17 JR西日本グループ 予定・計画・施策
JR西日本不動産開発 「ジェイグラン国立」分譲販売を開始
JR西日本不動産は、東京都国立市内の新築分譲マンション「ジェイグラン国立」の販売を開始した。鉄筋コンクリート造り9階建て、総戸数71戸。
-
2024.04.17 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
北陸新幹線開業1カ月 金沢―福井間26%増、72万3000人利用
JR西日本は16日、北陸新幹線金沢―敦賀間開業1カ月間の利用実績を発表、金沢―福井間の集計による利用者数は72万3000人で、在来線特急「サンダーバード・しら
-
2024.04.16 政府・省庁・鉄道運輸機構 予定・計画・施策
JRグループ4社 「大阪・関西万博」機運盛り上げ ラッピング新幹線運転開始
東海道、山陽、九州、北陸で JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州の4社は13日、開催1年前となった「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)の機運を
-