交通新聞社 電子版

墨滴 5月14日付

2024.05.14

 新入社員にとっては、社会人生活をスタートして1カ月半が経過したことになるが、会社、職場の雰囲気にはもうなじんだだろうか▼4月1日に墨滴子が取材したJR西日本の入社式は初の「グループ入社式」。同社グループの50以上の企業、計約2000人の新入社員が一堂に会した。同社グループがいかに幅広い領域で事業を展開しているか、異なる分野にも大勢の仲間がいることを、身をもって感じる機会になったに違いない▼式では、長谷川一明社長のあいさつに続いて、鉄道、物販飲食、ホテル、ショッピングセンター、不動産の各カンパニーの企業の新入社員代表が決意表明した。それは一人一人の思いであるとともに、各カンパニーが大切にしていること、使命も伝えていた▼就職先を決める上で、最も優先されるのは職種になろうか。ただ、鉄道事業を中核とするグループの企業に入社したからには、その点も心に留めながら業務に当たることが求められるだろう。各企業は、提供しているサービスに加えて、鉄道会社の事業によって獲得してきた信頼、安心のイメージを身にまとっている。その総合体がグループだ▼鉄道会社の営みがどれだけ地域の人たちに必要とされているか、関心を寄せられているか。それにアンテナを向けることは、自らの誇りにもつながるように思う。

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