日本鉄道サイバネティクス協議会 調査研究委員会分科会活動の報告会
日本鉄道サイバネティクス協議会(細川明良会長、鉄道事業者など288団体)は18日、調査研究委員会(川﨑邦弘委員長)における分科会活動の報告会を東京都内で開催した。報告会には112人(会場53人、オンライン59人)の会員が参加。会員向けにウェブでも配信された。
調査研究委員会は、サイバネティクスの要素技術である情報処置、通信、制御などのデジタル技術の開発・応用事例に関する調査研究、技術交流などを通じてサイバネティクスの普及を図り、鉄道を中心とした利用者の利便性向上、関連する事業者の発展に寄与することを目的に活動している。
報告会は2017年度に初めて開催され、今年で4回目。今回は19年11月から今月まで実施された調査研究の成果が紹介された。
調査研究のテーマは「ロボット・AI技術の活用による業務効率化・省力化に関する調査研究」(第二分科会25人)竹中由秀主査(JR西日本)、福山廣相副主査(日立製作所)、神川直英副主査(日本車輌製造)。
過疎地域での公共交通の維持と都市部での高密度の輸送ニーズへの対応策として、飛躍的に能力が向上しているAI(人工知能)と、精緻な制御が可能となっているドローンやロボットの活用に着目。AI・ロボット・ドローンに関する最新の技術動向と導入事例を調査し、サービスやオペレーション、メンテナンスに携わる人々の支援や代行を可能とするための活用法と留意点など、会員企業が実務に活用する際のガイドとなる情報をまとめ、将来に向けてロボットやAIの活用範囲を拡大していくことを提言した。
報告会終了後には、人機一体社長の金岡博士氏による「鉄道インフラメンテナンスにおいて人型重機を社会実装する」をテーマとする特別講演会も開催された。
同委員会は1965年から活動開始、91年から二つの分科会を設置して調査研究を実施しており、本年度で第二分科会の活動が終了。次年度には第一分科会の活動が終了し、報告会が開催される予定。
分科会では、鉄道事業者や利用者へのサービスなどにおける最新の課題について、事業者と関連メーカーなどが一堂に会することで、ニーズ・シーズ両面から最新デジタル技術の応用事例・可能性などの調査研究を行っている。
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