JR西日本 コスモエネルギーHDなど 再生可能エネルギー電力のさらなる利用拡大
風力発電活用 「バーチャルPPA」推進
JR西日本とコスモエネルギーホールディングス(東京都港区)、コスモエコパワー(同品川区)の3社は7日、発電量に応じた環境価値のみを直接購入する「バーチャルPPA」を活用して、列車の運転など鉄道事業における再生可能エネルギー電力のさらなる利用拡大に関する協議を進めるため、基本合意書を締結したと発表した。3社の知見を持ち寄り、風力発電を活用したバーチャルPPAを推進し、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを加速していく。
バーチャルPPAは、風力発電などの再生可能エネルギーで発電した電力について、電力と環境価値を切り離し、環境価値のみを売買する。発電の方法や立地条件などによる制約が少ない。需要家は従来と同じ電力を使用しながら、再エネを使用した場合と同様の脱炭素対応をすることが可能となる。
JR西日本は、グループ全体の環境の取り組み指針「JR西日本グループ環境基本方針」の下、「地球温暖化防止・気候変動対策」「循環型社会構築への貢献」「自然との共生」の三つの分野を柱に、グループと各カンパニーにおいて環境目標を設定。グループ一体で地球環境保護に取り組んでいる。
また、環境長期目標「JR西日本グループゼロカーボン2050」において、同社グループ全体の二酸化炭素(CO2)排出量を30年度に50%削減(13年度比)、50年に「実質ゼロ」とすることを掲げており、目標達成に向けた取り組みの一つとして、再エネ電力の導入拡大を目指している。
3社では、長年にわたるJR西日本の気動車などへの燃料油供給における関係性を基礎に、カーボンニュートラル社会の実現に向けて思いが合致。基本合意書の締結により、再エネ電力のさらなる拡大に関する協議を進めていくことにした。
コスモエコパワーは1997年に創業。これまでに41カ所220基の陸上風力発電の開発を手掛け、今年6月末時点で18カ所130基を運営。国内でもトップクラスの開発、運営実績を誇る。
コスモエネルギーグループでは、50年の「カーボンネットゼロ」の実現に向けた取り組み方針の一つとして、「グリーン電力サプライチェーン強化」を掲げており、風力発電によるコーポレートPPAをはじめとした再エネ電力の供給拡大に向けて取り組んでいる。
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