指定席 日本旅行・三好幸代氏
日本旅行で「風土」「意識」「制度」の改革に向けて陣頭指揮を執る総務人事部担当部長・女性活躍推進・働き方改革推進担当
三好 幸代(みよし ゆきよ)氏
長きにわたり、主に関西で個人旅行の営業部門を担当してきたが、今年に入り初の総務・人事部門、初めての単身赴任で東京へ。畑違いの場に転勤を伴うダブルの驚きを抱きながら、身をもって女性活躍推進担当を示すことになった。
着任早々、現場の声に耳を傾け、「女性にフォーカスするだけでなく、全社的な取り組みとして推進することが女性活躍の場の広がりにつながる」という一つの解を導いた。
社長に報告したところ、「ではダブルミッションで頼む」と言われたようで、「自ら首を絞めてしまいました」と笑いつつ、持ち前のバイタリティーを発揮。各部門の会議や座談会に足しげく通い、ヒアリングを続けた。
そこで「風土」「意識」「制度」の順に課題が大きいことが分かった。長い間に培われた価値観を変えるのは一筋縄ではいかないが、現在、同社で40代以下の女性比率は6割を超える。今後の中心世代になっていくのはもちろん、本年度の新入社員も8割が女性という現状を踏まえると、「改革は待ったなし。大変重要」と強調する。
部下から相談を受けることが多い〝姉御肌〟。オンラインで1時間近く話を聞いたこともある。関西では多くの店舗などを統括していたが、コロナ禍で需要が消滅した際には社員を鼓舞、一枚岩で乗り切った。
今回の異動は周囲も驚いたようだが、それこそ「女性だからという理由でした」と振り返りつつ、「異動・転勤がなければこのミッションに関われなかったでしょう。始まったばかりですが、女性活躍推進の先進的な企業でありたい」とも。京都弁の柔らかな物腰の中に、芯の強さが見え隠れした。
(大石 淳記者)
略歴 1993年JR西日本入社。旅行部門のTiS支店、事業計画、販売促進業務を経て2001年日本旅行入社。個人旅行販売、ツーリズム事業本部を経て、今年1月から現職。京都府出身。
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