日本鉄道施設協会 「2023年度(第38回)総合技術講演会」 土木工事施工部門 最優秀賞
最優秀賞【土木工事施工】
大阪駅(うめきたエリア)開業に向けた東海道線支線直下切換工事
~東海道本線交差及び大阪環状線近接下での工事桁撤去と幹線道路の踏切低下~
JR西日本大阪工事事務所
田中佑介
東海道線支線地下化・新駅設置事業は、大阪駅北エリア(うめきたエリア)の西端を走行する東海道線支線のうち、約2・4㌔を大阪駅側に移設・地下化して地下ホームを新設する。
西九条方の直下切換は約334㍍区間で実施。線路閉鎖は約30時間の拡大間合いとした。
23連にも上る工事桁を東海道線、大阪環状線の列車運行の安全を確保しながら撤去するため、▽隣接線の建築限界を支障しない▽架空線離隔1・2㍍(高圧線)以上を確保する▽構造物離隔0・5㍍以上確保――を徹底するためのリスク抽出と対策を実施した。
施工の確実性、タイムスケジュールの精度向上を目的とした試験施工を行い、かんざし桁切断試験では同じ仕様の鋼材を使用して切断に要する時間を計測するなど、結果を実際の計画に反映させた。
機械・設備故障に関して、対策と遅延時間をあらかじめ想定して関係者間で共有。多軸台車、220tTC故障時は人力搬送台車と中型ラフタークレーンを準備して、施工計画、タイムスケジュールを具体化させた。踏切低下(軌道低下・道路低下)の事前工事、降雨時の対応も事前に計画した。
切換全体計画では工事桁撤去の施工方法や軌道低下の重機動線を踏まえて七つのエリアに分割し、各系統の施工内容を整合させた。工事桁撤去が遅延した場合、線路閉鎖は遅延させるが道路使用は予定通り6時に完了できるように計画し、降雨で舗装できない場合には異常時扱いで最大9時まで道路使用を延伸できるよう協議した。
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