JR西日本 山陽新幹線で自動運転 30年代の開始を目指す
運転士乗務のGOA2 JR東海が技術協力
JR西日本の長谷川一明社長は18日の定例会見で、2030年代に山陽新幹線で自動運転の開始を目指すと発表した。JR東海の技術協力により、運転士が乗務するGOA2(半自動運転)の導入を図る。運転士がボタンを押すことで出発し、リアルタイムに演算を行うことで、所定時刻で途中駅の通過並びに到着駅へ自動で停止。運転士の業務量が削減され、駅発着時のホーム上の安全確認に注力できるなど、さらなる安全性向上を実現する。
同社は「JR西日本グループ中期経営計画2025アップデート」において、「鉄道事業の安全性向上・持続的進化」を掲げており、「ハード・ソフト両面の改良による輸送品質・生産性向上」に向けた取り組みを進めている。自動運転技術の導入検討もその一環。
GOA2では、運転士は車両先頭の運転台に乗務し、運転士の手動操作により発車する。運転士の駅間の運転操作が省かれることで、運転士の業務量を削減し、駅発着時のホーム上の安全確認など、運転業務以外の業務により注力でき、安全性向上に寄与することが期待されている。
また、運転士ごとのばらつきを比較的低減した運転を実現することで、安定して電力消費量の少ない運転が可能になることから、省エネルギー効果も期待される。
会見で長谷川社長は「山陽新幹線は東海道新幹線と直通運転しており、車両もほぼ共通化されている。GOA2技術は、JR東海によってかなり完成に近い研究開発が進められている。東海道新幹線と同一の技術を用いることで、安定的な自動運転、安全性、快適性を高めることができる。GOA2での自動運転の実績を積み重ね、より安全で利便性の高い輸送サービス、そしてサステナブルな鉄道経営へつなげていければと考えている」と述べた。
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