特集 38年目迎えたJRグループ JR西日本
北陸新幹線延伸開業、新たな人流創出で連携
JR西日本にとって、2024年度は「ポストコロナへの挑戦」を掲げた3カ年の中期経営計画の折り返し点となる重要な年。引き続き安全性向上のための取り組みを進めるとともに、サービス面では顧客起点に立脚し、マーケティングによる新たな価値創出やインバウンド戦略のさらなる推進などを図っていく。
3月16日に北陸新幹線金沢―敦賀間が開業した。これにより、首都圏をはじめとした各エリアから福井、敦賀などへのアクセス性が向上。併せて、北陸エリア内での移動がおおむね1時間圏内となり、地元関係者からは観光活性化への期待がかかる。
こうした中、同社では、新幹線を新たな人の流れを生み出すものとするため、地域関係者、旅行会社などとも連携して、さまざまな取り組みを展開する構えだ。10~12月の北陸デスティネーションキャンペーン(北陸DC)に向けた着地側としての準備なども進める。
周年迎える山陽新幹線
鉄道関連の話題ではこのほか、来年3月の「山陽新幹線博多開業50周年」、今年5月の「神戸~大阪鉄道開業150周年」をとらえたキャンペーンを実施し、その歴史や沿線の魅力を発信していく。
岡山―出雲市間(伯備線経由)には、今月6日に特急「やくも」273系新型車両がデビュー。6月中旬までには全11編成の投入を完了させる予定だ。
山陽新幹線の安全性・快適性の向上の取り組みでは、24年度から26年度にかけて東海道・山陽新幹線のN700S(16両編成)を4編成追加投入するとともに、従 来「のぞみ」として運用していたN700系(16両編成)を8両編成化する改造工事を進める。
大阪駅西側エリアで進める開発プロジェクトでは、「JPタワー大阪」(日本郵便、JTBなどとの共同事業)、新駅ビル「イノゲート大阪」、昨年3月に使用開始した「大阪駅(うめきたエリア)」地上部の「うめきたグリーンプレイス」などが今後開業し、同エリアの回遊性向上やにぎわい創出に貢献する。
このうち、JPタワー大阪では、商業施設「KITTE大阪」が7月にグランドオープンし、JR西日本ホテルズの新ブランドホテル「THE OSAKA STATION HOTEL,Autograph Collection(大阪ステーションホテル、オートグラフ コレクション)」が夏に開業予定。
イノゲート大阪は、オフィスフロアを主体としながら、2~5階には飲食ゾーン「バルチカ03」が入り、駅の利用者や駅周辺で働く人たちのニーズにもこたえる。開業は夏ごろの予定。
うめきたグリーンプレイスは、9月6日に大阪駅方面の大阪ステーションシティ・ノースゲートビルディング2階西端部から接続する歩行者デッキが開通し、その後、駅前広場が使用開始。来年春には高品質で豊かな生活を創出する都市型ショッピングセンターとして全面開業する。
広島エリアでは、広島駅の新駅ビルが来年春に開業し、広島・瀬戸内の玄関口の魅力アップが図られる。
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