JR西日本 中期経営計画2025をアップデート 成長投資400億円増の4000億円へ
5ヵ年総投資2100億円積み増し
JR西日本は4月30日、2025年度までの3カ年の中期経営計画「中期経営計画2025―ポストコロナへの挑戦―」における重点戦略の施策をより具体化するとともに、新たな施策などを盛り込んだ「中期経営計画2025アップデート」を発表した。不動産・まちづくりへの投資に550億円積み増すことで、成長投資は3カ年で400億円増の4000億円に。23~27年度の5カ年総投資額は、2100億円積み増して1兆6100億円となる。「鉄道事業の安全性向上・持続的進化」「グループ一体となった価値創造」「変化対応・創出力の向上」に向けた施策を展開していく。
現在の中期経営計画では、未来社会においても価値を創造し続ける企業グループとなるため、「私たちの志『人、まち、社会のつながりを進化させ、心を動かす。未来を動かす。』」とした同社グループの存在意義の下、一丸となって取り組みを推進している。
より認識を深めた対応すべき経営課題の打ち手として、鉄道事業では新幹線や京阪神地区の車両更新の早期化による安全性、快適性を向上。ハード、ソフト両面での改良による輸送品質、生産性の向上により、鉄道事業の安全性向上、持続的進化を図る。
同社グループ一体となった価値創造に向けては、付加価値の高い不動産アセットの拡充、大阪駅西地区や広島、三ノ宮駅などのまちの核となる拠点駅リニューアルなどにより、駅から広がるまちづくりを展開する。
これらの取り組みを支える人財育成に向けては、成長を支援し、多様性と働きがいを高める環境、仕組みを整備。イノベーション創出の機会の拡大や、デジタルリテラシー向上の取り組みを推進する。
財務目標は、27年度の連結営業利益は1850億円から100億円引き上げ1950億円とし、EBITDAは3800億円から200億円増の4000億円に設定した。
23~27年度の5カ年投資計画は、1兆4000億円から2100億円を上積みし1兆6100億円に。資本コストと資本効率の改善に向けては、財務規律の範囲内で自己株式取得を進め、本年度に500億円の自己株式取得を実施する。26年度までにさらに500億円程度の取得により、計1000億円程度の自己株式取得を想定している。
同日に本社で会見した長谷川一明社長は「長期ビジョンの実現を加速するためには、『鉄道事業の安全性向上・持続的進化』『グループ一体となった価値創造』『変化対応・創出力の向上』という三つの経営課題にこれまで以上に取り組んでいく。業績回復などを背景として、追加的な施策を推進していく」と述べた。
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