特集 JR西日本 神戸―大阪鉄道開業150周年
歴史、未来に思いをはせて
JR西日本が展開している「神戸~大阪鉄道開業150周年プロジェクト」。神戸―大阪間で鉄道が開業してから150周年を迎えたことをとらえて、その鉄道と街の歴史、未来に思いをはせてもらおうと、グループ会社、沿線の自治体、企業などとも連携して推進しているもので、今月から多彩な企画がスタートした。(秋元 尚浩記者)
これまでの利用に感謝の気持ち込め
神戸―大阪間は、1874年5月11日に、日本では新橋―横浜間に続いて2番目、関西で初めてとなる鉄道が開業した。プロジェクトは、同区間のこれまでの利用と沿線の人たちへの感謝の気持ちを込め、「あしたに、つなぐ。」をキャッチコピーに定めて展開している。
今月11日には、神戸駅北口駅前広場で記念式典、同駅1番線ホームで記念列車の出発式、大阪駅ステーションシティ5階「時空(とき)の広場」で大阪駅150周年を記念した式典と同駅にまつわるクイズ大会が行われた。
このうち、神戸駅で開かれた記念式典では、神戸市出身のプロトランぺッター・広瀬未来さん率いるジャズバンドが「鉄道唱歌」のジャズアレンジバージョンを生演奏した後、JR西日本の三津野隆宏執行役員・近畿統括本部長、國弘正治理事・近畿統括本部副本部長・兵庫支社長、同区間の主要駅駅長、来賓の沿線自治体の首長らが今後設置予定の150周年記念モニュメントに使用する錦絵の除幕を行い、節目を祝った。
記念列車の出発式では、各駅長が各自治体の首長に駅名標を贈呈したほか、松井聡明神戸駅長、久元喜造神戸市長が、オリジナルヘッドマークシールをあしらった225系6両編成の団体列車の出発合図を行った。
神戸駅と大阪駅で記念イベント開催
大阪駅での同駅150周年記念式典では、JR西日本吹奏楽団による「線路は続くよどこまでも」などの演奏や、関係者によるテープカットが実施された。
クイズ大会は、東大発の知識集団QuizKnockの伊沢拓司さん、須貝駿貴さんが出演するイベントで、参加者は大阪駅にまつわる問題にチャレンジ。クイズ大会に入る前には、同社の水口英樹常務理事・近畿統括本部副本部長・阪奈支社長や同社社員が〝講師〟として登壇、大阪駅の歴史や最近の話題について紹介した。
また、神戸駅北口駅前広場では11、12日の夜に、プロジェクションマッピングイベントも実施。駅舎壁面にSL、新快速などの列車が走る姿や、沿線のかつての駅の様子、観光スポットの写真などを映し出し、多くの見物客の目を楽しませた。
魅力発信催事や限定商品展開
沿線の8駅では、鉄道と街の歴史、その魅力を発信するパネル展が開催されている。場所は、神戸駅南側通路、元町駅高架下工事囲い、三ノ宮駅南側新駅ビル工事ヤード囲い、住吉駅みどりの窓口内、芦屋駅みどりの窓口前、西宮駅自由通路、尼崎駅自由通路、大阪駅うめきた地下口前。地元自治体などとも連携した企画で、一部内容は阪急電鉄、阪神電気鉄道の協力を得た。
大阪ステーションシティでは、「大阪駅×ドラマチック謎解きゲーム タイムステーションの謎(過去編)」「AR大阪鉄道博物館」などの企画がスタートした。
大阪駅×ドラマチック謎解きゲームは、ドラマチックなストーリーの中、大阪駅150年の歴史を探索しながら謎を解き明すイベント。参加者には特典として大阪ステーションシティ内で使用可能なクーポンなどを用意している。さらに8月からは未来編も追加し、過去編、未来編の謎を全てクリアした人は、抽選で賞品をプレゼントする。謎解きキットは1000円(過去編、未来編の両方に参加可能)で購入する。
AR大阪鉄道博物館は、大阪ステーションシティ各広場内にARマーカーが設置されており、スマホで特別サイトにアクセスした後、このマーカーを読み取ると、画面に車両が現れ、動きのある展示の体験や、車両ととの記念撮影を楽しめる。
登場する車両は、500系521系(時空の広場)、クハ489形(アトリウム広場)、1800形(カリヨン広場)、クハ86形(旅立ちの広場)。7月下旬ごろにクハ103形、スロネフ25形、8月下旬ごろに230形、0系21形を追加予定。
このほか、「神戸―大阪鉄道開業150周年記念フォトコンテスト」の作品募集なども行っている。JR西日本ホテルズの各ホテルでは、記念宿泊プランとして、駅のバックヤード見学付きプラン、京都鉄道博物館入場券付きプラン、鉄道グッズ付きプランなどを発売中。
物販関係では、「神戸ステンショ辨當」(製造・淡路屋)、「梅田ステンショ辨當」(同)、「神戸大阪 三種肉めぐり弁当」(まねき食品)の3種類の記念弁当と、オリジナルインク「Kobe INK物語 特別色 150 PURPLE SEPIA」(開発・ナガサワ文具センター)の販売がスタートした。
神戸ステンショ辨當は、神戸市出身の鳥瞰(ちょうかん)図絵師・青山大介氏が特別に書き下ろした初代神戸駅鳥瞰図をパッケージに使用。内容は、ビーフシチューやチキン南蛮、海老フライなど、神戸らしい洋食の弁当となっている。初代神戸駅鳥瞰図を封入。1280円。
梅田ステンショ辨當は、大根とサバの船場煮や大阪府産しろ菜のお浸し、紅ショウガの天ぷらなど、伝統料理から近年の大阪名物料理まで幅広く盛り付け、時代の変遷が感じられる幕の内弁当に仕上げた。パッケージには、明治時代に描かれた大阪駅の錦絵を使用。1280円。
神戸大阪 三種肉めぐり弁当は、神戸牛(すき焼き風)、神戸ポークの生姜焼き、大阪産豚のとんかつを、出汁ご飯の上に乗せた豪華でボリュームのある弁当。とんかつのソースには、河内ワインがブレンドされている。1780円。
各弁当はJR駅構内駅弁販売店舗と、それぞれの会社の店舗で販売中。
「Kobe INK物語 特別色 150 PURPLE SEPIA」は、神戸―大阪鉄道開業150周年の歴史を、1980年に初の新快速専用車両として誕生した117系「シティライナー」の雄姿と、神戸駅のレトロモダンのイメージを紫帯びたセピア色で表現したインク。2750円。JR西日本公式オンラインショップなどで取り扱っている。
検索キーワード:JR西日本
1,519件見つかりました。
1441〜1460件を表示
-
2023.11.08 その他業種分類 営業・事業・車両
本 田中車輛の時代―近畿車輌前史― TMS編集部編
後世に伝えたい1冊 JR西日本、近畿日本鉄道、南海電気鉄道、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)といった関西の鉄道をはじめ、JR東日本、東武鉄道、東京地下鉄(東京
-
2023.11.07 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
伊予鉄グループ JR西日本のICOCA導入へ
伊予鉄グループは10月27日、伊予鉄道の市内電車(路面電車)と伊予鉄バスの松山空港リムジンバスに来年3月(予定)からJR西日本のICOCAを導入すると発表した
-
2023.11.07 JR西日本グループ 予定・計画・施策
嵯峨野観光鉄道 今年も「クリスマス ロマンティック トレイン」を運行
JR西日本グループの嵯峨野観光鉄道は 12月23、24日の2日間、昨年に続き「クリスマス ロマンティック トレイン」を運行する。
-
2023.11.06 政府・省庁・鉄道運輸機構 式典・表彰
政府 秋の叙勲 国交省関係 小綬章以下
【旭日小綬章】 降籏洋平=元日本信号社長最高経営責任者・元信号工業協会会長(74) 【瑞宝小綬章】 中川順三郎=元国鉄仙台電気工事局次長(93) 【瑞宝双光章
-
2023.11.06 JR西日本 予定・計画・施策
JR西日本 ICOCA20周年セレモニー
JR西日本の交通系ICカード「ICOCA」が1日、サービス開始20周年を迎え、記念セレモニーが大阪駅・大阪ステーションシティ2階アトリウム広場で開催された。
-
2023.11.02 JR共通(グループ) 決算・財務
JR東日本・JR西日本 24年3月期第2四半期決算を発表
JR東日本とJR西日本は10月31日、24年3月期第2四半期決算を発表した。いずれもコロナ禍からの回復に伴う好決算。
-
2023.11.02 JR西日本 予定・計画・施策
JR西日本 株式分割、定款の一部変更へ
JR西日本は10月31日の取締役会で、2024年4月1日を効力発生日とする株式分割とそれに伴う定款の一部変更を行うことを決議した。
-
2023.11.02 運輸関連団体 予定・計画・施策
西日本鉄道OB会岡山地方本部 4年ぶりに「文化展」
西日本鉄道OB会岡山地方本部は10月24~27日、OB会員と現役社員の作品を展示する文化展をJR西日本中国統括本部岡山支社内で開いた。
-
2023.11.02 JR西日本グループ 予定・計画・施策
JR西日本不動産開発 シドニーの大規模複合施設に投資
JR西日本不動産開発は、三菱地所子会社のMEC Global Partners Asia社(本社シンガポール)、豪州の不動産運用会社・Ashe Morgan
-
2023.11.02 JR西日本グループ 予定・計画・施策
JR西日本コミュニケーションズ 「WESTビジョン」をLIVE BOARD連携へ
JR西日本コミュニケーションズは6日から、JR西日本の車内ビジョン「WESTビジョン」6716面をLIVE BOARDマーケットプレイスに接続・連携する。
-
2023.11.02 JR西日本 営業・事業・車両
JR西日本 「○○のはなし」1月13日から運転開始
JR西日本は山口線の観光列車「○○のはなし」を2024年1月13日から新山口―津和野間で運転開始する。