国交省 第3回地域の公共交通リ・デザイン実現会議 他分野連携の事例、課題など検討
国土交通省は16日、同省内で第3回「地域の公共交通リ・デザイン実現会議」(議長・斉藤鉄夫国土交通大臣)を開催した。この日は先進的な取り組みを行う自治体などが、他分野との連携・協働や公共交通の利便性向上策などを紹介。会議構成員らが意見を述べた。
同会議は、関係省庁が連携し、デジタルを活用して交通の再構築と地域の社会的課題の一体的解決を目指すもので、構成員として同省と関係省庁、学識経験者、事業者らが参加する。
今回は、前橋市、茨城県常陸太田市、山形県、JR西日本が取り組みの概要などを語った。前橋市は中心部の路線バス共同経営(間隔調整)や交通系ICカード導入による乗降データ取得・分析基盤の確保、タクシーとデイサービス送迎の連携などについて説明。介護報酬とタクシー運賃の差、ドライバー不足などを課題に挙げた。
常陸太田市は、路線バスとスクールバス、コミュニティーバスなどを再編で路線バスに一本化。運賃補填(ほてん)など支援制度の明確化、取り組み事例の横展開などが重要とした。
山形県は、山形新幹線山岳区間の輸送の安定性向上につながる「米沢トンネル(仮称)」の整備計画、鉄道駅周辺で進めるワークスペース整備など需要促進の取り組みについて紹介。JR西日本は、地域間の流動増に向けて、北陸新幹線敦賀延伸開業に伴う着地整備や産直食材などの輸送、広島駅周辺における鉄軌道連携、富山駅周辺のまちづくりへの協力体制などを示した。
構成員からは、自治体の調整力の重要性への指摘が相次いだほか、「幹線鉄道ネットワーク強化への国や自治体の積極的関与」「通学定期などの国費助成」「スクールバスと他交通統合時の児童・生徒優先の仕組み」「介護・福祉分野との連携のための制度設計」などを求める声もあった。
会議終盤、斉藤大臣は「地域交通の課題解決に向けた取り組みが全国に広がるよう、検討を加速化したい」と述べ、とりまとめに向けて改めて関係者の協力を要請した。
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