特集 JR西日本と中国SC開発 「ekie ザッカマルシェ」を増床リニューアルオープン
広島新駅ビル開業PJ第1弾
日々にワクワク感を
JR西日本と中国SC開発は9月26日、広島駅構内の商業エリア「ekie ザッカマルシェ」を増床リニューアルオープンした。広島新駅ビル開業プロジェクト第1弾。新駅ビルと既存商業エリアの間の線路上空部分に、新たに床を張った。新駅ビル開業後は、同ビルの商業施設「minamoa」の一部として新駅ビルと接続し、フロアがシームレスにつながる予定だ。建設工事が佳境を迎えている広島駅の刷新の変遷とともに、ekie ザッカマルシェの増床エリアを紹介する。(福原 潤記者)
南北通路の線路上空を増床
これまでの広島駅刷新の変遷を振り返ると、2014年9月に広島市が策定した「広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針」に基づき、同社グループは広島駅ビルの建て替えを検討。同駅南側と線路を挟んで反対側に位置する北側を結ぶ、同駅自由通路(長さ180㍍、幅15㍍)や橋上駅舎整備は17年10月に完成した。
自由通路に面して位置する線路上空エリアに、併せて同月に開業したのが、同駅橋上・高架下の商業施設「ekie」第1期エリアのザッカマルシェ。翌18年3月に第2期「ekie DINING(エキエダイニング)」、同年9~10月に第3期「エキエバル」「ekie おみやげ館」「ekie DINING TERRACE(テラス)」と順次開業し、地元客から新幹線利用客まで多様な食料品ニーズに応える第4期エリア「ekie KITCHEN(エキエキッチン)」の開業をもって、19年10月にグランドオープンした。同駅の刷新に向けた一連の工事は、約10年におよぶ一大プロジェクトであることが分かる。
「ekie ザッカマルシェ」の増床リニューアルについて、竹中靖中国SC開発社長は「今回の増床リニューアルは既存の『ekie ザッカマルシェ』のパワーアップという位置付けです。広島に初お目見えした店舗もたくさんあります。お客さまにワクワク感をご提供できたらと思います」と話す。
今回の増床リニューアルでは、日常を彩る「食・コスメ・雑貨」の店舗を拡充。店舗数は7店舗増えて26店舗になり、店舗面積は約674平方㍍増加し、約2156平方㍍となった。
食・コスメ・雑貨店を拡充
シャネル直営店が出店
新テナントは、シャネル直営店「CHANEL FRAGRANCE& BEAUTY(シャネル フレグランス&ビューティ)」、コスメ「BAUM(バウム)」、フレグランス「MUCHA(ミュシャ)」、コスメ「SuiSavon(スイサボン)―首里石鹸(せっけん)―」、コスメ「花の器」、レッグウエア「靴下屋」が9月26日にオープン。今月1日には広島県初出店となる高級スーパーマーケット「成城石井」が開店し、計7店舗がそろった。
このうち、シャネル直営店「CHANEL FRAGRANCE& BEAUTY」、フレグランス「MUCHA」、コスメ「BAUM」、コスメ「SuiSavon」の4店舗が中四国初進出。
MUCHA
チェコ出身の芸術家・ミュシャによる作品から着想を得たフレグランスやアート雑貨などが人気の店舗。
BAUM
樹木の恵みを余すところなく活用することや樹木資源を未来につなぐ持続可能な社会の実現をコンセプトとした資生堂の自然系コスメブランド。
SuiSavon
沖縄の植物や果物をベースに、香りや色、配合する原料に沖縄らしさを追求したスキンケアブランド。鮮やかで色とりどりな石けんなどがラインアップされている。
コスメ花の器
化粧品、インナーウエアなどを取り扱うフランス屋(広島市中区)が手掛ける新業態。和をモチーフとした器の中に、花笑みのようにレイアウトされたコスメが並ぶ。来店者に新たなときめきを提供している。
靴下屋
履き心地にこだわり、一足ずつ丁寧に作られたレッグウェアを集めた。
成城石井
広島県内初進出の高級スーパーマーケットは、バイヤーが国内外から厳選した食品を取りそろえ、人気を博している。
ザッカマルシェの増床部分の床面や柱のデザインは、徐々にminamoaへと向かっていけるよう、グラデーションを意識した色合いを取り入れている。
■新駅ビルへの回遊もシームレスに
地域初出店3分の1超広島の活性化に貢献
minamoaは、来年3月24日に開業する。店舗数は、ファッションやグルメ、生活雑貨など185店舗。このうち3分の1以上の65店舗が西日本や中四国、広島などの地域初出店となる。
ホテルグランヴィア広島の新館としてオープンする新ホテル「HOTEL GRANVIA HIROSHIMA SOUTH GATE(ホテルグランヴィア広島サウスゲート)」も同ビル内に入居する。
広島のまちの一員として愛着を持ってもらうとともに、まちに彩りを添える、より広島に住みたくなるライフスタイルを提供する駅ビルを目指している。
竹中社長は「(各地方の中核都市である札幌、仙台、広島、福岡の頭文字から取った通称)『札仙広福』の規模のまちの中で、広島にだけ出店していないお店もありました」と明かす。その上で「一方でお店側からも、『広島に出店したい』というご要望や、インバウンドの増加や広島市内で行われているさまざまな開発案件を踏まえ、今後のまちの発展に対する期待感も伺っていました。ワークショップの場などで収集したこれらのお声を基に、テナントの誘致に力を入れた結果、全体の3分の1超が地域初出店となりました。また、駅ビル2階の中央アトリウム空間には、広島電鉄の路面電車が直接乗り入れることから、路面電車のアクセスもよくなります。(中心市街地の)八丁堀や紙屋町ともしっかりつながり、広島のまちの活性化に貢献していきます」と言葉に力を込める。
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