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JR東海・JR西日本・JR九州 EX予約「CO2排出ゼロ」サービス 九州新幹線エリアに延伸

2024.09.24
ロゴマークのイメージ(JR東海提供)

 名称は「GreenEX」に

 JR東海とJR西日本、JR九州の3社は19日、東海道・山陽・九州新幹線の会員制ネット予約サービス「エクスプレス(EX)予約」の法人会員を対象に提供している「二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロ化サービス」について、10月から導入企業を拡大するとともに、九州新幹線エリアへ延伸すると発表した。併せて、同サービスの名称を「GreenEX(グリーンイーエックス)」に決定。サービスの展開で、地球環境保全に関心のある利用者に、CO2排出量を気にせず安心して3新幹線を利用できる環境を整備していく。

 同サービスは今年4月から、EX予約の法人会員約3万5000社に向けて東海道・山陽新幹線で開始。開始時にはバイオ・医薬品のグローバル企業「アストラゼネカ」(大阪市)が導入した。

 スキームでは、太陽光発電などの発電時に、CO2を排出しない再生可能エネルギー電源由来の非化石証書を付与した電気「CO2フリー電気」を活用。JR3社が電力会社などからCO2フリー電気を調達し、EX予約法人会員の出張利用分に充当する形で、CO2排出量実質ゼロの新幹線移動サービスを提供する。

 同会員はCO2フリー電気購入分の追加料金を支払う。片道1人当たりの追加料金は、東京―新大阪間で数十円、同―鹿児島中央間で百数十円程度。会員には、仮に同サービスを活用せずに移動した場合のCO2排出量を「CO2削減効果」として記載した証書を発行する。

 10月から新たに同サービスを導入する企業は、アスカ、オリックス、RYODEN、共同印刷、第一三共、三菱倉庫、ヴェルサムマテリアルズ・ジャパン、シグマアルドリッチジャパン、メルクエレクトロニクス、メルク、メルクバイオファーマなど12社。アストラゼネカを含む導入13社のCO2排出量削減効果としては、直近1年間と同程度のEX予約利用状況から推計した場合、約660㌧を見込む。

 サービス対象エリアが延伸される九州新幹線は、博多―鹿児島中央間の全線。これにより、東京から鹿児島中央までの区間で、新幹線移動に伴うCO2排出量を実質ゼロにすることができる。

 サービス名称の「GreenEX」は、地球環境にやさしいイメージの「Green」に、EX予約の「EX」を組み合わせた。EX予約を利用することで、移動時も地球環境にやさしい選択をしてほしいとの思いを込めている。

 JR東海の丹羽俊介社長は同日の定例会見(東京)で「サービスの導入企業が増えたことは大きな反響があったと捉えている。引き続き10社ほどの企業と導入に向けた調整を進めている。新幹線は省エネルギー化を追求するなど環境優位性の高い高速輸送機関であり、移動には新幹線を選んでいただけるように、これからも優れたサービスを提供していきたい」と述べた。

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