交通新聞社 電子版

特集　第９５回都市対抗野球大会　ＪＲ東日本東北

2024.07.18 JR東日本 特集
２次予選３試合に登板した武田。コントロールの良さがセールスポイント

　投手中心にしっかり守る　全員野球で一戦一戦

　２次予選東北大会は、これまでの主力を担ってきた選手の体調不良などもあり、厳しい戦いが予想されたが、選手一人一人が役目を果たしたことで、昨年に続き第１代表での東京ドーム出場を決めた。

　準決勝のＴＤＫ（にかほ市）戦は、追い付いては突き放される展開。終盤は８回表に５番大西の適時打で３―３に。続く９回表には９番小鷹、１番浦林の連続ヒットなどで一死満塁の好機をつくり、３番菅野の犠飛で逆転に成功、４―３で勝利した。投げては工藤、武田、津高の３人でつないだ。

　決勝の七十七銀行（仙台市）戦は、終始リード。６回裏にスリーランを打たれ、２点差に詰め寄られたが、９回表に１点を加えて７―４で下した。マウンドでは鈴木翔、武田が力投した。

　西村亮監督は、予選について「みんなが一致団結し、代表を取るんだという姿勢がしっかりと出て、試合をものにすることができた」と振り返った。

　打線では、特に大西が１１打数７安打（本塁打２本を含む）、打率６割３分６厘で首位打者賞を獲得するなど活躍した。ただ、好調な打者も大事な場面で必ず打てるとは限らず、相手チームからは厳しいマークにもあう。同監督は「次から次へ活躍する選手が出てきてほしい」と胸中を口にした。

　新人では、浦林がスターティングメンバ―に起用され、結果を残しており、出塁、打撃で得点に絡む活躍が期待される。

　最近のチームの状況については、「ドームの経験をし、またその反省を踏まえ、選手たちは上で勝つにはどうしたらいいかということを考え、理解しながら、取り組んでくれていると思う」と。

　目指しているのは、ピッチャーを中心にしっかり守り、粘り強く戦う野球。試合で点を取るのは簡単ではないことや、不要な点を与えずに攻撃に移っていくことが勝つために重要になるからだ。

　今季のチームのスローガンは「勇往邁進」。昨年までの「勇猛果敢」から変更したもので、「次の段階」を意識するとともに、今後もチームとして果敢に挑戦し、突き進んでいこうという思いが込められている。

　今大会の補強選手には、ベテランで経験豊富な小島（ＴＤＫ）、速球派の西舘（七十七銀行）の両投手、パンチ力のある打撃を持ち味とする長嶋外野手（同）を迎えた。

　初戦の相手は、ＪＲ西日本（広島市）。ＪＲ同士の対決となるが、「周りの人が思うほど何か意識するということはない。自分たちのペースで野球することができれば」と意気込む。大会に向けては「全員野球で一戦一戦頑張りたい。応援に来てくれた方々と勝利の喜びを分かち合いたい」と力を込めた。

　（秋元　尚浩記者）

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