特集 JR西日本「ちょこっと関西歴史たび」大阪・堺 古墳と伝統産業のまち
歴史ロマンと文化 3月24日まで
JR西日本は、堺市などと協力して観光キャンペーン「ちょこっと関西歴史たび『古墳と伝統産業のまち―ええとこ堺!はじまりめぐり。―』」を開催している。百舌鳥古墳群の仁徳天皇陵古墳をはじめ大小合わせて44基の古墳が残るほか、貿易都市・商業都市として栄え、鉄砲、刃物などの鍛冶技術や自転車産業が発展した大阪・堺への誘客を図るもので、期間は3月24日まで。歴史ロマンと文化が息づく同エリアを訪ねた。(秋元 尚浩記者)
「ちょこっと関西歴史たび」は、2013年度春から、〝歴史を知ると、散策がさらに楽しくなる〟をテーマに、地域と連携し、個人でもグループでも楽しめる期間限定の特別公開や特別講座など各地の魅力ある企画を紹介するもので、四季ごとにエリアを変えながら実施しており、今回で38回目を迎えた。
百舌鳥古墳群ビジターセンター
まず訪れたのが、百舌鳥古墳群ビジターセンター。JR阪和線百舌鳥駅から徒歩5分。世界最大級の墳墓・仁徳天皇陵古墳に近接するとともに、世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」の価値や魅力を伝えるガイダンス機能などを備えており、観光のスタート地点にぴったり。
大仙公園
また、同センターの向かいの大仙公園の一角には、堺市博物館が立つ。同館では、特別企画として「須恵器工人(すえきこうじん)の奮闘記―陶邑窯跡群(すえむらかまあとぐん)より―」を開催している。資料などによると、百舌鳥古墳群がつくられたころ、堺は焼き物の産地だった。そうした中で、陶邑窯跡群は朝鮮半島から伝わった新たな技術で、須恵器の製造が始まり、古墳時代最大の産地となった。展示では、製作に失敗した少し残念な須恵器などを紹介している。
市役所展望ロビー
シマノ自転車博物館
次いで、仁徳天皇陵のお堀沿いの道などを経由して、堺市役所21階展望ロビーやシマノ自転車博物館に立ち寄った。
同展望ロビーは、地上80㍍の高さに位置し、古墳や堺の市街地などの風景を見渡すことができる。同博物館は、世界最古級の自転車から個性豊かなものまで多種多様な自転車が展示され、その歴史や文化を学べる。さらに足を延ばし、紀州街道沿いに点在する「さかい利晶の杜」や「堺伝匠館」、旧市街地北部の「堺鉄炮鍛冶屋敷」(井上関右衛門家住宅)も巡った。
千利休茶の湯館
さかい利晶の杜は、1階が、堺ゆかりの茶人・千利休の生涯と茶の湯を紹介する「千利休茶の湯館」、2階は歌人・与謝野晶子の世界とその生き方に触れられる「与謝野晶子記念館」となっており、充実した時間を過ごせる。
堺伝匠館は、堺の刃物の歴史や製造方法などを実物、模型、イラストを用いて分かりやすく展示している2階の「堺刃物ミュージアム CUT」などが見どころだ。
鉄炮鍛冶屋敷
鉄炮鍛冶屋敷は、全国で唯一残る江戸時代の鉄砲鍛冶の住居兼作業場として貴重なもの。同屋敷は、これまで建物の外観しか見ることができなかったが、3月3日に内部公開の施設としてオープン予定で、堺観光のさらなる魅力アップへの寄与が期待される。
キャンペーンでは、「ボランティアガイドと巡る百舌鳥古墳群ウォーキング」「同古墳群サイクリング」をはじめ、堺エリアで開催されるさまざまな企画・イベントについて情報発信している。3月17日までの日曜日には、さかい利晶の杜、大仙公園(百舌鳥古墳群ビジターセンター前付近)、JR阪和線三国ケ丘駅南側を結ぶ無料シャトルバスを1日12本運行している。
■お得なパス 大阪・堺おでかけパス
南海バス、阪堺と連携
JR西日本では、キャンペーンに合わせて南海バス、阪堺電気軌道などと連携し、「(ICOCAでGO!)大阪・堺おでかけパス」を、広域型MaaSアプリ「KANSAI MaaS」で発売している。
JR線自由周遊区間(大阪・堺市エリア)の利用と、南海バス堺市内ワイドエリア内・阪堺電車同市内区間が1日乗り放題の「堺おもてなしチケット(南海バス拡大版)」をセット。指定した1日のみ有効。1000円(大人のみ設定)。
JR線利用は、同アプリに登録したICOCAと、WESTERポイント(チャージ専用)サービスの利用登録が必要。当日、登録したICOCAで利用すると、運賃は翌月末に同ポイントで全額還元する。
「堺おもてなしチケット(南海バス拡大版)」は、利用当日に「大仙公園観光案内所(百舌鳥古墳群ビジターセンター内)」でアプリのチケット引き換え用画面を提示し、受け取る。
特典として、観光施設などで料金割引などが受けられるほか、「JR西日本×南海バス×阪堺電車 オリジナルクリアファイル」がもらえる。さらに「(ICOCAでGO!)大阪・堺おでかけパス」利用特典として、南海バスオリジナルボールペン、または阪堺電車オリジナルマスキングテープをプレゼントする(なくなり次第終了)。
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