第35回「JRスポーツ賞」 功労賞・植田哲弘氏
功労賞
バレーボール・ソフトバレーボール JR西日本フィナンシャルマネジメント審査事業部
植田 哲弘氏
選手ら尊重し楽しく勝つバレー
「楽しくて、なおかつ勝つバレーボール」が信条だ。選手一人一人との対話や、チーム全体の融和、コミュニケーションを重んじてきた。勝つ喜びを味わってもらう指導に徹している。
バレーボールを始めたきっかけは、中学時代の部活動。中学3年生の時、副キャプテンを務めた。身体的、心理的に負荷の高い、前時代的ともいえる厳しい練習方法に、かねてから疑問を抱いていた。副キャプテンとして、キャプテンに是正するよう呼び掛けた。しかし聞き入れてはもらえなかった。この時に感じた「選手を大事にする、けがをさせない」との思いは、今に通じる監督としての原体験だ。
1978年、国鉄に就職。初任地の和歌山操車場駅では、自らバレーボール部を立ち上げた。同僚らに声をかけてチームを編成。天王寺鉄道管理局主催の大会に出場するも結果は惨敗。チーム力と団結力が勝敗を左右することを痛感した。選手らを勝利に導くことができなかったことで自責の念に駆られた。
入社2年目に車掌となった。車掌区では、硬式テニスや野球などに選手として打ち込みながら、監督の指導や采配の手法を会得した。
96年、JR西日本大阪女子バレーボール部が発足。以来、現在に至るまで同部の監督を務めている。2000年からは、地元の小学校PTAの女子バレーボール部の監督も務める。年次により、初心者中心や経験者中心など、チームの属性は異なる。そんな中、選手らを尊重し丁寧なコミュニケーションを図ることで、チームをまとめ上げ、勝利へと導いてきたことは、枚挙にいとまがない。
今まで支えていただいた方々に感謝すると共に、「監督として長く現役でいられること、(生涯スポーツとして楽しめる競技の)ソフトバレーボールの大阪代表となること」を目標に据え、バレーボールを楽しむ日々を過ごしている。
(福原 潤記者)
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