JR西日本 輸送密度1日2000人未満線区 20~22年度平均収支率を開示
JR西日本は28日、輸送密度(平均通過人員)1日2000人未満の17路線30線区(コロナ禍前の2019年度実績による)を対象に、20~22年度3カ年平均の収支率などを開示した。ローカル線を取り巻く環境や利用状況が大きく変化する中、地域の人々と各線区の実態や課題を共有することが目的。
対象線区について、同社では「大量輸送という観点で鉄道の特性が十分に発揮できていないと考えている」としている。収支率は、その区間にかかる費用に対する収入の割合。収入は線区の運輸収入、費用は土木構造物、設備の維持・メンテナンス、列車運行に関する費用など。支社、本社にかかる費用(管理費)は除いている。
今回の収支率平均は10・4%。過去の平均は、17~19年度14・8%、18~20年度12・4%、19~21年度10・9%で悪化している。今回最も低かったのは芸備線東城―備後落合間の0・6%。
各区間の営業損益は全て赤字。20~22年度3カ年平均の収入は合計27億5000万円(19~21年度平均は30億3000万円)、費用は合計265億3000万円(277億6000万円)、営業損失237億8000万円(247億3000万円)。
【20~22年度の各線区収支率】
小浜線 敦賀―東舞鶴12.6%
越美北線 越前花堂―九頭竜湖5.3%
大糸線 南小谷―糸魚川2.6%
山陰線 城崎温泉―浜坂9.5%
同 浜坂―鳥取10.1%
同 出雲市―益田14.4%
同 益田―長門市5.2%
同 長門市―小串・仙崎6.9%
関西線 亀山―加茂9.6%
紀勢線 新宮―白浜11.9%
加古川線 西脇市―谷川4.5%
姫新線 播磨新宮―上月11.2%
同 上月―津山8.8%
同 津山―中国勝山11.0%
同 中国勝山―新見2.7%
播但線 和田山―寺前24.9%
芸備線 備中神代―東城3.1%
同 東城―備後落合0.6%
同 備後落合―備後庄原2.6%
同 備後庄原―三次10.4%
同 三次―下深川11.3%
福塩線 府中―塩町4.0%
因美線 東津山―智頭4.1%
木次線 宍道―出雲横田6.5%
同 出雲横田―備後落合1.8%
岩徳線 岩国―櫛ケ浜20.2%
山口線 宮野―津和野8.7%
同 津和野―益田7.7%
小野田線 小野田―居能など8.1%
美祢線 厚狭―長門市9.5%
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