中国運輸局 「芸備線再構築協議会」設置を決定 23年度内に第1回協議会開催へ
備中神代―備後庄原間
国土交通省中国運輸局は12日、昨年10月3日にJR西日本が設置を要請した芸備線一部区間(備中神代―備後庄原間、68・5㌔)の再構築協議会について、設置を決定したと発表した。同協議会の設置決定は全国で初めて。10月1日に全面施行された改正地域交通法(地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律)に基づくもので、関係地方公共団体に意見聴取を行った上で決定。構成員となる同社や広島県、岡山県などに通知した。本年度内の第1回開催に向け、調整を行っている。
改正法では、地域関係者間の連携と協働を促進。このうちローカル鉄道については、地方公共団体または鉄道事業者からの要請に基づき、関係自治体の意見を聞いて国土交通大臣が組織する「再構築協議会」の仕組みが設けられた。
持続困難な路線の再構築について話し合う場を設けるとともに、協議会において実証事業などを行い、①鉄道輸送の維持・高度化②バスなどへの転換――のいずれかの方向で利便性・持続可能性向上策の協議がまとまった場合、再構築方針を作成。国が運営や財政支援などの形で関与することで、地域の足の維持を図っていく。
同法の基本方針などでは、協議会設置は当面、旅客輸送密度1000人未満の区間を中心に早急な改善が求められる区間を優先。JR上場4社については、JR会社法の規定に基づく大臣指針を踏まえ、経営努力のみで避けられない要因により大幅に輸送需要が減少している場合などとしていた。
今回設置が決定した「芸備線再構築協議会」は、対象路線は岡山、広島県境をまたぐ備中神代―備後庄原間。協議対象は、意見聴取した自治体の意見なども踏まえ、広域的な見地から特定区間以外の区間を含む備中神代―広島間とする。JR西日本が発表した2022年度の1日平均通過人員は、東城―備後落合間で同社管内最少の20人。同社が発足した1987年度の約4%まで落ち込んでいる。
協議会の構成員は、同運輸局を議長とし、同省中国地方整備局、岡山県、広島県、新見市、庄原市、三次市、広島市、JR西日本岡山支社、同広島支社、岡山県バス協会、広島県バス協会、岡山県警察本部、広島県警察本部、学識経験者の神田佑亮呉工業高等専門学校教授(環境都市工学分野)。意見聴取した広島県内の沿線自治体のうち、安芸高田市は協議会への参加意向を示していない。
同基本方針では、議論の最大限の透明化を図るとともに、協議開始後3年以内を一つの目安に再構築方針を作成すべきとしている。
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