JR九州高速船 社長に大羽氏
JR九州は13日付で、グループ会社・JR九州高速船の役員人事を発表した。代表取締役社長には大羽健司氏(JR九州エンジニアリング経営企画部長)が就任、田中渉代表取締役社長は取締役に退いた。
JR九州高速船は、運航する福岡―韓国・釜山間を結ぶ大型高速客船「クイーンビートル」が2023年2月12日、船首右側面の水面下にクラックが発生していることを確認。同社では応急処置を実施して14日まで3便の運航を継続したことが、船舶安全法第5条第1項第3号に規定する臨時検査を受けずに運航していたこと、社内の連絡体制不備及び報告遅延などの法令違反があったことから同年6月に国土交通省から「輸送の安全確保に関する命令」を受けた。同社では6月28日付で田中社長が就任し、7月には改善報告書を提出していたが、改善報告書に記載の安全対策が実行されていなかった。
同社では今年2月、船内への浸水を把握しながら検査や修理、国への報告を行わず、海水をポンプで排水しながら3カ月以上運航。その後、浸水に関するデータを改ざん、船体の修理を行った上で約1カ月半の運休を経て7月に運航再開していた。今月6日の国交省によるJR九州高速船への抜き打ち監査で安全確保に関わる重大な問題があるとの指摘を受けた。一連の事実関係は親会社のJR九州が確認した。
「クイーンビートル」は13日から当面の間、運休。予約客には個別に連絡している。
国交省からの指摘を受けて、JR九州は「お客さまや株主、投資家の皆さまに多大なご心配をおかけし深くおわび申し上げます。国土交通省の監査に全面的に協力し、改善に向けて努めてまいります」とコメントした。
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