JR東海・JR西日本・JR九州 大阪の第2指令所で新幹線の列車制御
JR東海、JR西日本、JR九州の3社は9日、新大阪駅付近にある東海道・山陽新幹線第2総合指令所での列車制御を終日にわたって行い、その様子を報道関係者に公開した。東京の新幹線総合指令所が地震による被災などで使用できない場合を想定し、毎年1回実施している。
第2総合指令所は1995年の阪神・淡路大震災を契機に、指令所の二重系化による正常運行確保を目的としてJR東海とJR西日本が共同で設置し、99年2月から運用を開始。2011年の九州新幹線全線開業に合わせ、東京の指令所と同様に、東海道・山陽・九州新幹線の全列車の運行状況を一元的に把握できるようにした。
新幹線運転管理システム(コムトラック)などの指令設備は東京の指令所と同等で、各装置類の電源が常時入った待機状態としている。東京の指令所が被災などで使用できない場合に備えており、即座に機能を切り替えて運行制御を行うことができる。平常時は指令員、保守要員の教育訓練や設備改良時の確認試験などに活用している。
当日は、東海道・山陽新幹線の営業列車上下計521本が運転され、JR東海78人、JR西日本32人、JR九州5人の指令員計115人が第2指令所で「実制御」に携わった。
所内では3社の指令長が取材に応じ、JR東海の上川原功祥新幹線鉄道事業本部運輸営業部輸送課輸送指令長は「指令員には安全を第一に考えた行動を取るように伝えている。取り組みを通じて異常時の対応能力をさらに高めていきたい」、JR西日本の笠浪正彦山陽新幹線統括本部東京新幹線総合指令所総括指令長は「安全最優先で3社の指令員が情報共有することを心掛けている」、JR九州の田中秀幸鉄道事業本部運行管理部東京新幹線指令東京総括指令長は「鹿児島中央から東京までレールはつながっており、異常時にすぐに対応するため、各指令員が自己研さんに努めている」と述べた。
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