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JR九州 新D&S(観光)列車「かんぱち・いちろく」完成披露式典

2024.04.23
㊤完成披露式典に出席した古宮社長(左から6人目)、八幡社長(同7人目)ら㊦3号車の4人掛けボックス席

 JR九州は19日、久大線経由の博多―別府間で26日にデビューする新D&S(観光)列車「かんぱち・いちろく」の完成披露式典を小倉総合車両センターで開催した。この日は車内も公開され、全車グリーン席仕様のシートや、巨大な一枚板カウンターのある2号車ラウンジなどに注目が集まった。

 列車は気動車3両編成で、1、3号車はキハ47形、2号車はキハ125形を改造。デザインは、同社協働パートナーで日豊線霧島神宮駅のリニューアルを手掛けたIFOO(鹿児島市)が初めて担当した。

 外観は艶のある黒を基調とし、3両にわたって側面に久留米―大分間の路線図を表すゴールドのラインを引き、その上下に同区間の駅名によるエッジラインを描いた。車体に景色が映り込むことで、車両全体で沿線の特色を表現する。

 車内は全車グリーン席で、1号車がソファ席(3人掛け)、3号車がボックス席(2~4人掛け)を中心に配置。両先頭車の運転席後ろには、靴を脱いで利用する畳個室各1室(定員6人)を備える。

 シートは、1号車が大分・別府エリアの火山や温泉を想起させる赤をベース、3号車が福岡・久留米エリアの平野や山々をイメージした緑や青を基調とし、シンプルながら洗練された高級感が伝わるデザイン。2号車「ラウンジ杉」は、樹齢約250年の杉材を用いた約8㍍の一枚板カウンターが圧倒的な存在感を放つ。

 このほか、福岡、大分両県で活躍するアーティスト10組が制作した作品で車内随所が装飾され、華やかに彩る。食事は沿線食材を使用し、大分県日田市の杉で製作したオリジナル重箱に詰めて提供する。

 完成披露式典には、古宮洋二社長、福永嘉之取締役・常務執行役員・鉄道事業本部長、保田俊同センター所長、IFOOの八幡秀樹社長、改造工事を担当したJR九州エンジニアリングの小林宰社長、車内装飾に携わったNPO法人「BEPPU PROJECT」(大分県別府市)の中村恭子代表理事らが出席。

 古宮社長は「今回さまざまなことにチャレンジし、素晴らしい車両が完成した。沿線の食材を使ったおいしい食事、途中停車駅でのおもてなし、窓からの景色を全て足し合わせると、まさに久大線の〝動くスイートルーム〟。ぜひ日本全国から乗りに来ていただきたい」とあいさつ。

 続いて、八幡社長が「関係者の皆さまが、デザインをしたことのないわれわれを信じて任せていただいたことは感謝の念に堪えない。この列車が地域から愛され、お客さまに育まれることを祈念する」と述べ、客室乗務員の制服が紹介された。

 最後に古宮社長をはじめ出席者が先頭部を覆った巨大な幕を除幕し、「かんぱち・いちろく」を披露した。

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