交通新聞社 電子版

JR九州 西九州新幹線開業1周年でイベント

2023.09.26
㊤大村車両基地で行われた「かもめ」のお掃除イベント㊦出発合図を行う萱嶋駅長(左)と長濱さん=長崎駅=

 新幹線「かもめ」を丸洗い!――。JR九州は23日、西九州新幹線(武雄温泉―長崎間)開業1周年を記念した「GO WEST」プロジェクトの一環として、長崎県大村市の大村車両基地でN700S「かもめ」のお掃除イベントを開催した。この日は家族連れら約150人がモップやスポンジなどを使い、「かもめ」の車体側面を洗浄。ピカピカに磨かれた列車は特別新幹線「GO WEST号」として同区間で運行された。

 イベントは、定員150人に対して応募8756人の当選倍率58倍と大反響を呼んだ。幸運にも当選した参加者には、当日限り同新幹線が乗り放題となる真っ赤な「Tシャツきっぷ」が配布され、そろいのシャツ姿でお掃除を楽しんだ。

 同新幹線新大村駅に集合した参加者は専用バスで同基地へ。「かもめ」6両編成が待つ検査庫に入場すると、鉄道好きの子どもたちは早くも興奮気味。用意されたモップや水鉄砲などを手にすると、社員のアナウンスに合わせてお掃除がスタートした。

 大人や小中学生らが水にぬらしたモップで白い車体や窓の汚れを落とし、幼い子どもたちが水鉄砲で〝援護射撃〟。さらに洗剤の泡を吹き付けて磨いた後、水をかけて泡を洗い流し、ピカピカのボディーに仕上げた。

 イベントには、同社の古宮洋二社長、水戸岡鋭治ドーンデザイン研究所代表、大石賢吾長崎県知事、園田裕史大村市長、竹下昭博鉄道建設・運輸施設整備支援機構九州新幹線建設局長らも参加し、1号車の洗浄を行った。

 また、特別新幹線にはサプライズが用意され、先頭の1、6号車の顔を〝メイクアップ〟。水戸岡氏が以前から考案していた目(ヘッドライト)に青とピンクの縁取りや「KAMOME」文字のまつ毛、鼻先に唇とほくろをあしらったユニークなデザインで、古宮社長らが除幕して報道陣に披露した。

 この後、列車は参加者らが待つ屋外の留置線に入線。全員で記念撮影した後、地元音楽隊の伴奏に合わせて参加者が「ハッピーバースデー、かもめ」を合唱し、出場する特別新幹線を見送った。

 特別新幹線「GO WEST号」(全車自由席)は同日、長崎―武雄温泉間を1往復走行。長崎駅では古宮社長、水戸岡氏、萱嶋創駅長、西九州新幹線長崎県広報大使でタレントの長濱ねるさんが出席して出発式が行われた。

 一日駅長に任命された長濱さんのあいさつに続いて、古宮社長が「この車両は1年間で約31万8000㌔と地球を8周分走っており、その汚れを先ほど落としてきた。かわいい顔もあしらわれており、今後もたくさんの皆さまに利用していただける取り組みに努めたい」と述べた。

 この後、萱嶋駅長と長濱さんによる合図で、特別新幹線が武雄温泉駅に向けて出発した。

 着用すると西九州新幹線が当日乗り放題となるTシャツきっぷ(大人3000円、子ども半額)も好評で、事前・当日合わせて約6800枚を販売。引き換え場所の新幹線全5駅には早朝から多くの人々が訪れ、背中に大きく「GO WEST」のロゴが入った真っ赤なシャツを受け取ると、さっそく着用していた。

 新幹線5駅周辺ではそれぞれ地元などによる記念イベントが開催され、いずれもTシャツきっぷ姿の大勢の人々で真っ赤に染まった。多くの人出で一部の列車はデッキまで埋まるほどで、同社は急きょ臨時列車を増発して対応した。

検索キーワード:JR九州

822件見つかりました。

1〜20件を表示

>