JR九州 「JR肥薩線検討会議」第7回会議 鉄道での復旧で基本合意
2020年7月豪雨災害で不通が続くJR肥薩線(八代―人吉間)について、国土交通省と熊本県、JR九州で話し合う「JR肥薩線検討会議」の第7回会議が3日、熊本市内で開かれ、同県が提示していた鉄道復旧を前提とする復興方針で基本合意した。今後、日常利用の創出など持続可能な鉄道の復旧に向けて議論を深め、24年度末の最終合意を目指す。
前回2月の第6回会議で、県が提示した観光需要創出を軸とする復興方針に対し、同社は「観光振興」のみならず、「沿線の人々のマイレール意識の醸成による日常利用の創出」との2本柱で考える必要があると回答していた。
これを受けて、「JR肥薩線再生協議会」を構成する県と沿線12市町村は議論を重ね、住民自らが地域に鉄道があることのアドバンテージを実感し、実際に乗って大切にしていくことが必要であることを確認した。
今回の会議で、県は地元の総意として「マイレール意識の醸成による日常利用の創出」に取り組む決意を表明。取り組み方針や自治体職員の積極的な利用、くま川鉄道との連携など具体策の事例も示されたことから、同社は鉄道で復旧する方向性で合意した。
復旧後の運営は、県と自治体が設備を保有・管理する「上下分離方式」を採用。今後、県と同社は肥薩線の持続可能性を高める取り組みや復旧後の運営の在り方、数値目標の設定・管理などについて協議し、24年度末の最終合意を目指す。
会議後、同社は「熊本県からマイレール意識の醸成による日常利用創出についても、沿線一丸で実行していく決意と具体策が示された。最終合意に向けて、肥薩線が将来にわたって持続的に地域に必要な役割を果たしていけるよう、鉄道での復旧に向けた検討を深度化してまいります」との古宮洋二社長のコメントを発表した。
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