交通新聞社 電子版

墨滴 11月1日付

2023.11.01

 迷惑系外国人ユーチューバーが西九州新幹線を無賃乗車する動画が公開され、全国的に波紋を呼んだ。列車内や駅で制止された際に仮病を使ってごまかそうとする卑劣な姿には、関係者のみならず憤りを感じたはずだ▼動画は、仲間のユーチューバーらと、長崎から青森まで最も早く〝無料〟で移動することを競うという内容。ゲーム感覚でやっているつもりだろうが、捕まったら終了というルールが足りなかった。駅で制止された際に罰金を支払って謝罪し、さっさと帰国するべきだった▼実に日本を侮蔑した行為だが、無賃乗車はれっきとした犯罪。JR九州の古宮洋二社長も先の定例会見で「こもっていたトイレから出て仮病を装い、制止を振り切って逃げた。これ、犯罪ですよね」と怒りをあらわにした▼特急料金の支払いを免れようと、乗客がトイレにこもるケースは少なくないという。長時間トイレが使用中の場合の状況判断は難しいが、実際の体調不良者の救護面を考慮すれば、開錠などの対応が必要だろう▼最近は迷惑動画で収入を稼げる仕組みは見直されつつあるが、単に目立ちたい、悪ふざけというケースも少なくなく、今後も同様の騒動が起きる可能性は残る。各交通機関には安全安心な利用のためにも、迷惑行為への対処法の再確認、未然防止策をお願いしたい。

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