交通新聞社 電子版

JR九州筑豊篠栗鉄道事業部 3駅限定の「運転士時刻表ガチャ」が大好評

2023.10.12
「運転士時刻表ガチャ」を企画した伊津野さん(右)と西尾さん

 1200個超の売れ行き

 JR九州筑豊篠栗鉄道事業部が筑豊線直方、新飯塚、日田彦山線田川後藤寺の3駅限定で販売する「運転士時刻表ガチャ」が大好評を博している。1回500円で、かつて同事業部管内で使用していた時刻表(レプリカ)が当たるもので、8月28日の発売開始から1200個を超える売れ行きだ。

 同日の日田彦山線BRTひこぼしライン開業を盛り上げようと、同事業部の伊津野康助役と西尾将大運輸主任が企画。これまでにも、主催する「福北ゆたか線フェスタ」で885系特急電車を特別展示したり、篠栗トンネルナイトウオーキングを発案するなど、チャレンジングな企画を生み出してきた〝名コンビ〟が手掛けた。

 西尾さんがアイデアマンと認める伊津野さんによると、JR九州商事が昨年9月から東京・有楽町に開設したポップアップストアがヒントに。ここで自動販売機で販売していた運転士時刻表が好評と知り、地元でも喜んでもらえるのではないかと提案したという。

 さっそくJR九州商事に問い合わせ、販売ノウハウを確認。自販機は高額のため、カプセルに引換券を入れた〝ガチャガチャ〟方式を採用し、各駅みどりの窓口にベンダーマシンを設置した。

 時刻表は、臨時列車や試験車の運転ダイヤが記載されたスーパーレア4種類を筆頭に、レア5種類、ノーマル16種類の全25種類を用意。レアは被災前の2016年の日田彦山線(小倉―日田間)を走行した列車、ノーマルも現在は存在しない編成両数が記されたものなど、こだわって選んだ。

 発売直後から反響

 発売直後から想定を大きく上回る反響があり、9月25日までの約1カ月間で約700個を販売。同26日から第2弾として内容を一新したところ、さらに人気が高まり、わずか1週間で約500個が売れた。

 購入者は、性別にかかわらず子どもから年配者まで幅広いそうで、離れて暮らす孫のために買いに来たという人も。一度に10個以上を〝大人買い〟する猛者もおり、品切れにならないよう気を配る場面も少なくない。

 スーパーレアもしくは「当たり」が出ると、使用済みの時刻表ケースまたは手作りの「ひこぼしライン」オリジナル缶バッジを進呈しており、楽しみも2倍。あまりの好調な売れ行きに、時刻表ケースを追加せざるを得ない状況だ。

 

 駅社員も協力

 西尾さんは「商品の時刻表の用意やカプセルの補充が追い付かなくなる時もあり、うれしい悲鳴が続いています。手が回らない時も駅社員の協力のおかげで販売することができ、お客さまに喜んでいただいています」と話す。

 ベンダーマシンの周辺には、駅社員が手作りしたポップやポスターが掲げられ、各駅それぞれで販促に取り組む。窓口営業の時間が限られる田川後藤寺駅では、出発待ちの列車内で販売する営業努力もあり、売り上げ確保につなげている。

 伊津野さんは「私たちが使用していたものに多くの方が興味を持っていただき、とてもありがたいです。特にこれから鉄道ファンになってくれる子どもたちが時刻表を見て喜ぶ姿を目にすると、やってよかったと思います」と語る。

 ガチャ設置期間は11月5日までを予定。支社から視察に訪れる社員もいて、名コンビが繰り出すチャレンジが全社に広がっていきそうだ。

検索キーワード:JR九州

822件見つかりました。

141〜160件を表示

<

>