交通新聞社 電子版

墨滴 2月13日付

2024.02.13

 2004年3月にJR九州が運行主体となる初の新幹線として九州新幹線(新八代―鹿児島中央間)が開業し、来月で20周年を迎える。九州の南半分における縦移動の時間軸を大幅に縮めたインパクトは、今なお鮮明に覚えている▼開業によって、在来線特急で平均4時間を要した博多―鹿児島中央間は最速2時間10分に短縮された。さらに11年3月に博多まで全線開通すると最速1時間17分に。山陽新幹線との直通運転で新大阪―鹿児島中央間は4時間を切り、関西方面からの誘客に大きく貢献している▼新幹線主要駅を中心に、JR九州の駅ビルやホテルをはじめ民間企業の沿線開発、地元による再整備が進み、景色が大きく変わった。中核都市圏まで新幹線通勤する人も多く、地方都市の定住人口確保にも寄与している▼話題は転じて、JR九州でもう一つの西九州新幹線は、武雄温泉以東の未整備区間で白紙の状態が続く。ルート設定について同社は佐賀駅を通る「アセスルート」を主張するが、多額の建設費負担に見合う採算性を重視する佐賀県によって未定のままだ▼新幹線開業効果は前述の通りだが、姿のないものは分かりづらい。そこでJR九州はアセスルートを見据え、佐賀駅周辺の事業者と共同で再開発に先行着手してはどうか。それが形となれば、その効果やJRの〝本気度〟が示される。

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