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日本鉄道サイバネティクス協議会 「第60回鉄道サイバネ・シンポジウム」

2023.11.20
あいさつする村端委員長(日本鉄道サイバネティクス協議会提供)

 日本鉄道サイバネティクス協議会(細川明良会長、鉄道事業者など287団体)は、シンポジウム委員会(村端章浩委員長)主催で9、10日の2日間にわたり、「第60回鉄道サイバネ・シンポジウム」を東京・池袋のホテルメトロポリタンで開催した。

 鉄道サイバネ・シンポジウムは、1963年11月にパリで開催された国際鉄道連合(UIC)主催の「鉄道におけるサイバネティクス利用国際シンポジウム」に起源を持ち、わが国では「鉄道におけるサイバネティクス利用国内シンポジウム」として毎年開かれている。

 今回は会員22社から63件の論文応募があり、これらを「鉄道計画・旅客輸送」「列車運行システム・業務支援システム、情報伝送・処理システム」「車両システム・車上設備」「電気システム・地上設備」の4部門に分類。論文審査で選考された41件とともに、協議会創立60周年記念懸賞論文の優秀論文2件、学生優秀論文8件の計51件の論文が発表された。

 昨年度に引き続き、ウェブ配信による聴講も可能とした。2日間の聴講入場者数は延べ500人。配信による聴講者数は827人で合計1327人となった。

 4部門41件の発表論文の中から、部門別に優秀論文として各2件、計8件が「日本鉄道サイバネティクス協議会論文賞」候補論文として選考。12月に開催される企画理事会で優秀賞4件、優良賞4件が決定される予定。この中から日本鉄道技術協会主催の「日本鉄道技術協会坂田記念賞」についても候補論文として推薦される予定。

 部門別の優秀論文は、次の通り(敬称略)。

 【鉄道計画・旅客輸送】

 訪日外国人の鉄道利用把握に向けた基礎分析―携帯電話位置情報データを用いた訪問地分析―=中川伸吾(鉄道総研)▽マルチフルスクリーンホームドアの開発―世界初方式ホームドアの実用化に向けた挑戦と取組―=四家井祐一(JR西日本)ほか2人、妹尾潤(JR西日本テクシア)

 【列車運行システム・業務支援システム、情報伝送・処理システム】

 AIを活用した運転整理業務の自動化技術=加藤祐子(日立製作所)ほか1人、大野優(JR九州)▽車両側面カメラによる安全確認支援装置=合田航(鉄道総研)ほか3人

 【車両システム・車上設備】

 車上データ有効活用システム「Remote」による省エネ施策の開発―架線電圧調整による回生電力量の拡大―=今村憲司(東武鉄道)ほか2人、大橋聡(三菱電機)ほか2人▽自動学習による空転発生条件の分析の強化=行木英明(東芝インフラシステムズ)ほか1人、江崎浩康(JR東海)ほか1人

 【電気システム・地上設備】

 踏切監視カメラによる遮断かん折損検知手法=影山椋(鉄道総研)ほか1人、根橋壮(JR東日本)ほか1人▽2Dレーザー式踏切障害物検知装置の開発―障害物検知アルゴリズムの検討―=早田有利(JR東海)ほか1人、伊藤正樹(京三製作所)ほか1人

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