国交省 「鉄道における自動運転の導入・普及に関する連絡会」が初会合 状況を共有し導入促進
JR九州の来春導入発表などを受け
国土交通省は6日、「鉄道における自動運転の導入・普及に関する連絡会」の第1回会合を本省内(ウェブ併用)で開催した。JR九州香椎線で来年3月から、運転士資格のない係員が乗務する自動運転の導入が予定され、他事業者も導入に向けた検討を進めていることから、導入状況などを関係者で共有、取り組みを促進することなどを目指す。
鉄道分野の自動運転はこれまで、新交通システムなど外部から線路内などに人が容易に立ち入ることができない路線で実施されているが、踏切などがある一般的な路線では正式に導入されていない。
同省では2018年12月に、一般路線での導入を視野に鉄道の自動運転技術検討会を立ち上げ、昨年9月に国際規格にない日本独自の「レベル2・5」(システムが運転し、緊急停止操作などを先頭乗車の係員が担当)新設などを盛り込んだとりまとめを公表している。
連絡会は、同省鉄道局(事務局)と自動運転を導入・試行する鉄軌道事業者(JR東日本、JR九州、東武鉄道、東京地下鉄〈東京メトロ〉、大阪市高速電気軌道〈大阪メトロ〉、南海電気鉄道)、関係団体、有識者として座長の古関隆章東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻教授、平栗滋人鉄道総研研究開発推進部JR部長らで構成。オブザーバーとして他のJR5社が加わる。
この日は冒頭、岸谷克己大臣官房技術審議官(鉄道局担当)が「人手不足が深刻化しており、鉄道でも特に地方部において運転士が不足し、通常ダイヤを組めないケースが散見される。自動運転は有効な手段だが、踏切がありホームドアがない一般の鉄道において、いかに安全を確保するか。線区事情や求める自動運転レベルにより、さまざまな検討が必要であり、関係者間で情報を共有していきたい」とあいさつ。
古関座長が「日本は1980年代初めに新交通の神戸ポートライナーで世界に先駆けて自動運転を導入したが、一般の鉄道には広がらず、結果的に他国の後塵(こうじん)を拝している。皆で日本の技術を高めていきたい」と述べた。
議事(非公開)では、連絡会設置の目的や各社の自動運転技術の検討・導入状況などについて説明の後、意見交換が行われた。次回以降は各社の進捗(しんちょく)状況を見て開催する。
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