交通新聞社 電子版

墨滴 9月25日付

2023.09.25

 JR九州が運行する西九州新幹線(武雄温泉―長崎間)が23日、開業から1周年を迎えた。1日平均約6600人が「かもめ」を利用し、2018年度の特急利用と比べ102%と堅調に推移。長崎をはじめ沿線観光地のにぎわい回復にも寄与しているとみられる▼今月初めの共同インタビューで同社の古宮洋二社長は「九州新幹線の18年度比85%に対して、15%強の差が新幹線による時間短縮効果」と強調し、「1年間順調にこられたのは沿線の皆さまやお客さまのご支援のおかげ」と謝意を示した▼新たな需要の獲得について問われ、「嬉野や武雄を経由した通勤通学という日常の利用で新たな流れができた」と回答。さらに「武雄エリアから上京する際に、従来の佐賀空港から、現在は新大村駅に近い長崎空港を利用していると最近よく聞く」という▼話題は一転、未整備区間について問われ、「中国・関西方面からのお客さまは乗り換えが2度発生するので、直通運転が一番便利だと思う。九州新幹線も直通後に利用が増えており、より便利になることが佐賀、長崎にたくさんの人が来られる要素になる」と言葉に力を込めた▼未整備区間に関しては国土交通省と佐賀県が「幅広い協議」を継続中だが、進展は見えない状況だ。古宮社長は「協議の中で並行在来線の問題が出てくれば、JR九州としても次のステップを考えたい」と語った。

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