交通新聞社 電子版

墨滴 4月30日付

2024.04.30

 「JR九州は水戸岡(鋭治)さんをやめたのですか」とよく聞かれる。26日にデビューした久大線の新D&S(観光)列車「かんぱち・いちろく」のことだ。その都度、「そうじゃないと思いますよ」と返答しているが▼この列車の導入が発表されたのは、1年前の福岡・大分デスティネーションキャンペーン全国宣伝販売促進会議でのこと。古宮洋二社長によるサプライズ発表だったが、車両デザインを主に建築を手掛けるIFOO(鹿児島市)が担当することで二つの驚きだった▼IFOOは、JR九州が駅や沿線のにぎわい創出に取り組む「九州 DREAM STATION」の第1回協働パートナー。3月に完成した日豊線霧島神宮駅のリニューアルを手掛け、駅近くの石蔵もギャラリー・カフェバーに生まれ変わった▼今月19日の完成披露式典で古宮社長が「当社と志を同じくし、地元を大切にする理念に共感して依頼した」と強調すれば、IFOOの八幡秀樹社長は「最後までわれわれを信じてくれた関係者の方々に感謝したい」と語った▼水戸岡氏はJR九州で30年以上にわたり個性あふれる列車を生み出してきた。「かんぱち・いちろく」は将来のバトンタッチを見据えたチャレンジの一つ。提供される食事やサービスを含めて、その評価はこれから利用客をはじめ関係する人々によって示されていくだろう。

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