交通新聞社 電子版

特集 「アミュプラザ長崎新館」JR長崎駅にオープン

2023.11.17
色ガラスで長崎のまちの景色を表現したエントランスの装飾

 本館、かもめ市場とともに

 日常も観光需要もフルターゲット

 随所に長崎らしさ

 トレンドや地域に応える86店舗入居

 長崎の陸の玄関口・JR長崎駅に新たな大型商業ゾーン「アミュプラザ長崎新館」が10日オープンした。JR九州グループのJR長崎シティが運営する施設は、最新トレンドや地域の要望に応える86店舗が入る。既存の「アミュプラザ長崎本館」、同駅高架下「長崎街道かもめ市場」と合わせ、幅広い層の日常使いから観光需要まで〝フルターゲット〟の一大商業エリアが誕生した。(松尾 恭明記者)

 

 新館は、既存の本館と同駅に挟まれた敷地に建設した13階建ての駅ビル1~4階と5階の一部で構成。このほかビル5、6階はオフィス、7階以上に「長崎マリオットホテル」が来年初頭に開業する。

半数が長崎初出店

 新館の営業面積は約2万1700平方㍍。人気のファッション、雑貨、カフェのほか、要望が多かった大型家電やアミューズメントなどをそろえ、全体の半分の43店舗が長崎初出店(うち九州初3)となった。

 注目テナントの一つが、〝日本再上陸〟後の九州初出店で全国でも4店舗目のファストファッション「フォーエバー21」。日本人向けにローカライズされたジャパンオリジナル商品を展開し、おしゃれな若者の心を刺激しそうだ。

 同じく九州初の生活雑貨「ベーシックアンドアクセント」は、良質でユーモアのある商品をラインアップ。このほか、セレクトファッション「SHIPS」、100円ショップ「ダイソー」の新ブランド「スタンダードプロダクツ」など長崎初の顔ぶれがそろった。

目を引く色ガラス

 館内は随所に長崎らしさが散りばめられ、駅側エントランスを入ると、長崎のまちの景色を表現した鮮やかな色ガラスが目を引く。さらに、フロアごとに長崎にちなんだ色を柱や壁に採用し、長崎らしさを演出。1階は青(長崎港の海)、2階は黒(軍艦島や造船)、3階は緑(教会)、4階と5階はランタンなどをイメージし、それぞれ黄と赤を用いている。

 ショップが並ぶ売り場は通路幅が広くゆとりがあり、街中を歩くような印象を受ける。フロアの一角にある共有スペースは植栽に囲まれ、まるで公園のベンチでひと休みする雰囲気だ。

新幹線展望スポット

 鉄道ファンにおすすめのスポットが、3階と4階にある〝新幹線展望デッキ〟。駅ホームを発着する「かもめ」をほぼ同じ高さから望むことができる。5階の屋上庭園はカフェ「スターバックス」を併設し、日が落ちると素敵にライトアップされ、新たなデートスポットになりそうだ。

 

 ■インタビユー

 JR長崎シティ社長 赤木征二氏

 ここに来れば楽しい

 地元に寄り添う施設に

 上層階ホテル開業に期待、地元の魅力発信

――新館開業を迎えての心境は。

 赤木 昨年9月の西九州新幹線開業の半年前に、「長崎街道かもめ市場」が開業してから長崎地区の開発が始まった。私自身は足掛け10年ほど長崎関係の仕事をしてきたが、ハード面では新館開業で一区切りを迎える。今後は本館改装を含めてアミュプラザ長崎を進化させていきたい。

――ターゲットは。

 赤木 本館は主に高感度な女性やファミリーが対象で、高架下は観光客向けの土産、飲食が中心になっており、今回は足りなかった部分を新館が補う形になる。大型家電やアミューズメントもそろえ、3施設合わせて全ての方に来ていただけるフルターゲットを想定している。

――どのような過ごし方ができますか。

 赤木 本館を含めて映画館や書店、飲食、家電があり、新館5階と本館5階のレストラン街はつながっており、回遊しながらいろんな楽しみ方ができる。駅ビルでは珍しい24時間営業のフィットネスクラブが入り、ビル5、6階のオフィスワーカーも働きながら、いつでもリフレッシュすることができる。

――セールスポイントは。

 赤木 今までにない点では、清掃と警備にロボットを導入する。もちろん環境や省エネ面でもいろんな最新技術を取り入れている。コロナ禍後の最初の駅ビルであり、感染症対策にもしっかり取り組み、お客さまに安心して利用してもらえるようにした。

――にぎわい創出の取り組みは。

 赤木 2年前の5月に周辺企業や自治会などと長崎駅周辺まちづくり推進協議会をつくり、周辺を盛り上げる活動を続けている。毎月のイベントカレンダーを作って情報発信しているが、今後もかもめ広場などを活用した催しで、ショッピング以外でも楽しめる施設にしていきたい。

――ビル上層階に来年初頭開業する長崎マリオットホテルへの期待は。

 赤木 これまで長崎に泊まらなかった方々が泊まるようになるのではないか。アミュプラザ長崎で長崎の文化を感じられる商品づくりをしていけば、宿泊者にも喜ばれると思うし、地元の皆さまにも改めて長崎のよさを伝える機会になる。

――新館をどのように育てていきますか。

 赤木 地元の皆さまに日常使いされる施設になってほしい。3施設全体の中心が新館となり、周辺広場の活用も含めて、ここに来れば何かやっていて楽しいというイメージをつくり上げていきたい。

 

森亨弘JR九州駅ビルホールディングス社長(JR九州取締役・専務執行役員・事業開発本部長)

 今回の開発により、既存の本館に新館と高架下を加えると、博多に次ぐ規模の商業施設・オフィス・ホテルの機能を備えた駅を中心とした新たなまちができ上がります。

 アミュプラザ長崎新館では、これまでのお客さまの声やマーケットのご要望を基に、ファッションなどライフスタイルを中心とした新しい提案を行います。長崎で初めてご紹介できるお店も多数あり、これまでよりも多くの選択肢をお客さまに提供できるものと考えています。

つながり大切に地域と調和

 商業コンセプトは「BRIDGE」。リアルの場でのつながりを大切にし、私たちの活動により長崎の「まち」「ひと」「文化」「とき」をつなぐことで、地域と調和し、にぎわいと交流を創出してまいります。(M)

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