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近鉄、新型一般車両「８Ａ系」　２４年１０月から奈良線、京都線、橿原線と天理線で順次導入

2024.05.14 民鉄・公営・三セク 営業・事業・車両
今年10月から順次投入される新型一般車両「８Ａ系」（近畿日本鉄道提供）

　近畿日本鉄道は１０日、今年１０月から新型一般車両「８Ａ系」（１編成４両）を奈良線、京都線、橿原線、天理線で順次投入すると発表した。本年度の製造両数は１２編成４８両。新型のインバーター制御装置を採用し、従来車両と比較して消費電力を約４５％削減。ベビーカーや大型荷物などを持った乗客も気兼ねなく着席して過ごせるスペース「やさしば」を１両当たり２カ所設置。安全と環境に配慮するとともに、人にやさしい車両となっている。

　同社の新型一般車両は、シリーズ２１車両以来２４年ぶりで、昭和４０年代に製造された車両を置き換える。４８両の新造にかかる投資額は約９８億円。阪神電気鉄道との相互直通運転への充当は予定していない。２０２５年度には、大阪線、名古屋線、南大阪線にも１７編成６８両の投入を予定している。

　外観デザインはツートンカラーの近鉄らしさを踏まえ、利用者に身近に親しみを持ってもらえるデザインに。内装は、花柄の座席表布や木目調の壁を使用し、明るくやさしい印象に仕上げている。

　車内には深紫外線ＬＥＤにより車内空気の除菌を行う装置を設置するほか、冷房能力を向上させた空調装置の採用、扉の開閉に連動した空調制御の導入、車内温度センサーの増設などにより、酷暑などにも対応したきめ細やかな車内温度の調整を図る。

　車内の座席は、混雑状況に応じてロングシートとクロスシートを切り換えるＬ／Ｃシートを装備。夏期や冬期の車内保温のために、駅に長時間停車する際に個別に扉を開閉できるスイッチを同社で初めて設ける（ケーブルカーを除く）。

　車内防犯対策として防犯カメラを１両当たり４カ所、乗客と乗務員が通話できる非常通話装置を同２カ所設置する。

　バリアフリー対応では、各車両に車いすスペース（フリースペース）を１カ所設けるほか、車内の扉上に大型の液晶ディスプレーを設置し、停車駅や運行情報を多言語で表示する。

　「やさしば」は、ベビーカーや大型荷物を持つ乗客をはじめ、誰でも快適に気兼ねなく座ることのできる「やさしさ」を共有できる空間となるようにとの思いを込めて名付けた。

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