交通新聞社 電子版

墨滴 6月27日付

2024.06.27

 名古屋鉄道が25日、創業130年を迎えた。前身の愛知馬車鉄道に始まり、4年後の1898年には名古屋市内の路面電車として、京都市に次ぐ国内2番目の電気鉄道を開業。現在は豊橋―名鉄岐阜間の名古屋本線を中心に、愛知、岐阜両県に約444㌔の鉄軌道路線網を展開する▼名鉄グループとして、バスやタクシーを含む交通事業は、中部圏の居住者、来訪者の移動を支えている。それらの多様な交通モードをシームレスに結び付けるのが、同社が2022年3月にサービスを開始したスマートフォン向けエリア版MaaS(マース)アプリ「CentX(セントエックス)」▼名古屋市営地下鉄・バスのほか、JR東海などのEXサービス、JR西日本のMaaSアプリ「WESTER」とも連携を拡大。事業者の垣根を越えて中部圏での公共交通機関の利用促進を図っている▼背景の一つに、中部圏の公共交通分担率の低さがある。移動時の全交通手段に占める公共交通の利用割合を指し、名鉄によると中京都市圏は12%。東京都市圏の36%、京阪神都市圏の24%に比べ、極めて低い▼名古屋駅周辺での買い物に、マイカーで訪れる人が結構多いと聞く。同社はCentXの機能や連携先の拡充に努め、分担率向上で持続可能な地域づくりに貢献したいとしている。名鉄のこれからの歴史に、CentXが大きく名を刻むことだろう。

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