交通新聞社 電子版

墨滴 11月22日付

2023.11.22

 愛知県で初めて実施される「あいちウィーク」が昨日からスタートした。現在の同県が誕生した11月27日が「あいち県民の日」と定められ、直前の1週間を指す。期間中は県の魅力を発信するイベントが各地で行われ、主な県施設は割り引きや無料で利用できる▼東京都や関東地方の県でも「都民の日」「県民の日」が設けられている。公立学校が休みになるケースも多く、子どもたちやその家庭を中心に広く知られる。当日に利用できる1日乗車券を発売するなど鉄道各社も呼応する▼ただ、愛知県が異なるのは、「県民の日学校ホリデー」という仕組み。学校休業日を県民の日の当日に限定せず、同ウィークの平日一日を各学校や市町村が指定するもので、今回は多くの公立小中学校が24日に設定した。飛び石連休が4連休となる▼これらの取り組みは、同県の「休み方改革プロジェクト」の一環でもある。教育界だけでなく経済界や労働界も連携し、家族と子どもが一緒に休める環境整備に向けて、休日の柔軟な設定、有給休暇の取得、観光需要の平準化などを促進していく▼JR東海グループや名古屋鉄道グループの一部でも、同ウィークに合わせて子ども向けの割引企画を実施している。大人にとってみれば、休み方改革は働き方改革でもある。各界が協力して制度や体制を変革し、個人の意識改革とともに実現できたらと思う。

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