交通新聞社 電子版

特集 JR西日本 神戸―大阪鉄道開業150周年

2024.05.21
錦絵の除幕後、記念撮影する関係者=神戸駅北口駅前広場=

 歴史、未来に思いをはせて

 JR西日本が展開している「神戸~大阪鉄道開業150周年プロジェクト」。神戸―大阪間で鉄道が開業してから150周年を迎えたことをとらえて、その鉄道と街の歴史、未来に思いをはせてもらおうと、グループ会社、沿線の自治体、企業などとも連携して推進しているもので、今月から多彩な企画がスタートした。(秋元 尚浩記者)

 

 これまでの利用に感謝の気持ち込め

 神戸―大阪間は、1874年5月11日に、日本では新橋―横浜間に続いて2番目、関西で初めてとなる鉄道が開業した。プロジェクトは、同区間のこれまでの利用と沿線の人たちへの感謝の気持ちを込め、「あしたに、つなぐ。」をキャッチコピーに定めて展開している。

 今月11日には、神戸駅北口駅前広場で記念式典、同駅1番線ホームで記念列車の出発式、大阪駅ステーションシティ5階「時空(とき)の広場」で大阪駅150周年を記念した式典と同駅にまつわるクイズ大会が行われた。

 このうち、神戸駅で開かれた記念式典では、神戸市出身のプロトランぺッター・広瀬未来さん率いるジャズバンドが「鉄道唱歌」のジャズアレンジバージョンを生演奏した後、JR西日本の三津野隆宏執行役員・近畿統括本部長、國弘正治理事・近畿統括本部副本部長・兵庫支社長、同区間の主要駅駅長、来賓の沿線自治体の首長らが今後設置予定の150周年記念モニュメントに使用する錦絵の除幕を行い、節目を祝った。

 記念列車の出発式では、各駅長が各自治体の首長に駅名標を贈呈したほか、松井聡明神戸駅長、久元喜造神戸市長が、オリジナルヘッドマークシールをあしらった225系6両編成の団体列車の出発合図を行った。

 

 神戸駅と大阪駅で記念イベント開催

 大阪駅での同駅150周年記念式典では、JR西日本吹奏楽団による「線路は続くよどこまでも」などの演奏や、関係者によるテープカットが実施された。

 クイズ大会は、東大発の知識集団QuizKnockの伊沢拓司さん、須貝駿貴さんが出演するイベントで、参加者は大阪駅にまつわる問題にチャレンジ。クイズ大会に入る前には、同社の水口英樹常務理事・近畿統括本部副本部長・阪奈支社長や同社社員が〝講師〟として登壇、大阪駅の歴史や最近の話題について紹介した。

 また、神戸駅北口駅前広場では11、12日の夜に、プロジェクションマッピングイベントも実施。駅舎壁面にSL、新快速などの列車が走る姿や、沿線のかつての駅の様子、観光スポットの写真などを映し出し、多くの見物客の目を楽しませた。

 

 魅力発信催事や限定商品展開

 沿線の8駅では、鉄道と街の歴史、その魅力を発信するパネル展が開催されている。場所は、神戸駅南側通路、元町駅高架下工事囲い、三ノ宮駅南側新駅ビル工事ヤード囲い、住吉駅みどりの窓口内、芦屋駅みどりの窓口前、西宮駅自由通路、尼崎駅自由通路、大阪駅うめきた地下口前。地元自治体などとも連携した企画で、一部内容は阪急電鉄、阪神電気鉄道の協力を得た。

 大阪ステーションシティでは、「大阪駅×ドラマチック謎解きゲーム タイムステーションの謎(過去編)」「AR大阪鉄道博物館」などの企画がスタートした。

 大阪駅×ドラマチック謎解きゲームは、ドラマチックなストーリーの中、大阪駅150年の歴史を探索しながら謎を解き明すイベント。参加者には特典として大阪ステーションシティ内で使用可能なクーポンなどを用意している。さらに8月からは未来編も追加し、過去編、未来編の謎を全てクリアした人は、抽選で賞品をプレゼントする。謎解きキットは1000円(過去編、未来編の両方に参加可能)で購入する。

 AR大阪鉄道博物館は、大阪ステーションシティ各広場内にARマーカーが設置されており、スマホで特別サイトにアクセスした後、このマーカーを読み取ると、画面に車両が現れ、動きのある展示の体験や、車両ととの記念撮影を楽しめる。

 登場する車両は、500系521系(時空の広場)、クハ489形(アトリウム広場)、1800形(カリヨン広場)、クハ86形(旅立ちの広場)。7月下旬ごろにクハ103形、スロネフ25形、8月下旬ごろに230形、0系21形を追加予定。

 このほか、「神戸―大阪鉄道開業150周年記念フォトコンテスト」の作品募集なども行っている。JR西日本ホテルズの各ホテルでは、記念宿泊プランとして、駅のバックヤード見学付きプラン、京都鉄道博物館入場券付きプラン、鉄道グッズ付きプランなどを発売中。

 物販関係では、「神戸ステンショ辨當」(製造・淡路屋)、「梅田ステンショ辨當」(同)、「神戸大阪 三種肉めぐり弁当」(まねき食品)の3種類の記念弁当と、オリジナルインク「Kobe INK物語 特別色 150 PURPLE SEPIA」(開発・ナガサワ文具センター)の販売がスタートした。

 神戸ステンショ辨當は、神戸市出身の鳥瞰(ちょうかん)図絵師・青山大介氏が特別に書き下ろした初代神戸駅鳥瞰図をパッケージに使用。内容は、ビーフシチューやチキン南蛮、海老フライなど、神戸らしい洋食の弁当となっている。初代神戸駅鳥瞰図を封入。1280円。

 梅田ステンショ辨當は、大根とサバの船場煮や大阪府産しろ菜のお浸し、紅ショウガの天ぷらなど、伝統料理から近年の大阪名物料理まで幅広く盛り付け、時代の変遷が感じられる幕の内弁当に仕上げた。パッケージには、明治時代に描かれた大阪駅の錦絵を使用。1280円。

 神戸大阪 三種肉めぐり弁当は、神戸牛(すき焼き風)、神戸ポークの生姜焼き、大阪産豚のとんかつを、出汁ご飯の上に乗せた豪華でボリュームのある弁当。とんかつのソースには、河内ワインがブレンドされている。1780円。

 各弁当はJR駅構内駅弁販売店舗と、それぞれの会社の店舗で販売中。

 「Kobe INK物語 特別色 150 PURPLE SEPIA」は、神戸―大阪鉄道開業150周年の歴史を、1980年に初の新快速専用車両として誕生した117系「シティライナー」の雄姿と、神戸駅のレトロモダンのイメージを紫帯びたセピア色で表現したインク。2750円。JR西日本公式オンラインショップなどで取り扱っている。

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