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阪急 京都線2300系 神戸・宝塚線2000系 24年夏から営業運転

2023.10.20
2300系の㊤外観㊦内装イメージ(阪急電鉄提供)

 バリアフリー充実、省エネ推進

 初の座席指定サービス

 阪急電鉄は、京都線の新型特急車両「2300系」、神戸・宝塚線の新型通勤車両「2000系」を新造し、2024年夏から営業運転を開始する。1000系導入から11年ぶりの同社車両のモデルチェンジとなる。「安心と快適、そして環境に配慮した新しい阪急スタイル」を開発コンセプトに、バリアフリー設備を充実させたほか、高効率な半導体素子を用いた制御装置を採用。2300系については同社初となる座席指定サービスを導入する。

 2300系、2000系とも1編成8両。車内はそれぞれセミクロスシート、ロングシート。外観は、伝統のマルーンカラーの車体などを継承しながら、前面の窓ガラスに曲線を採り入れて「疾走感」を醸し出したデザインとする。

 内装は、木目調の化粧板やゴールデンオリーブ色の座席など阪急車両の伝統を踏襲する。開放的な空間づくりの観点から、ロングシート端部の袖仕切りは半透明の素材に変更する。

 車いすスペース拡大

 バリアフリー設備の充実では、先頭車両の車いすスペースを拡大し、車いす利用者、ベビーカー利用者、スーツケースなど大型荷物を持った人にとってより使いやすくする。各車両の車いすスペースは、壁面の手すりを2段に変更し、新たに車いすの固定具を設置。非常通話装置の位置は、従来の連結部ドア横から乗降ドア横に変える。

 車いすスペースと優先座席付近のつり手の高さは、より多くの人が利用しやすいよう低くする。つり手は、色覚の多様性に配慮して配色を変更することで、車いすスペース・優先座席の場所を車内の離れた場所からでも認識しやすくする。

 消費電力6割減

 省エネルギー化推進の取り組みでは、VVVFインバーター制御装置に最新の高効率な半導体素子を採用し、既存車両と比較して消費 電力量を約60%削減。さらに、車体 側面の行先表示器のLED(発光ダイオード)を走行中は消灯し、消費電力の低減につなげる。

 車内の快適性向上では、省エネルギー性能・静音性に優れたインバーター式空調装置や、花粉・細菌・ウイルスの除去機能、カビ・臭気の抑制効果がある空気清浄機を導入。安全性向上面では防犯カメラを設置し、握り棒を増設する。

 2300系の大阪方から4両目は、座席指定サービス提供車両となる。サービスの詳細は後日発表する。

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